100年しかもたないコンクリではない、「森の防潮堤」を

このエントリーをはてなブックマークに追加

■抵抗する環境省を説得

宮城県岩沼市で「千年希望の丘プロジェクト」として始まっている森の防潮堤の実証実験地

森の防潮堤は、宮脇氏が半世紀近く唱え、実践している土地本来の樹木による森づくりを、震災瓦礫を活用しながら東北の太平洋岸300キロメートルに渡って実現させようという壮大な構想。

「陸前高田の一本松」が象徴するように、日本の海岸林を代表するマツ林の多くは今回の津波で根こそぎ倒され、代わりに数少ないタブノキなどの常緑広葉樹の森は無傷で残ったことを宮脇氏らが現地調査で確認。

地中深くに根を張る広葉樹は、瓦礫を埋めてできるすき間の多い土壌でさらに根を伸ばし、安定した森をつくるという宮脇氏の理論から、有害物質を取り除いたがれきを防潮堤の土台の一部に活用すべきだとも提案している。

これに対し環境省は当初、木質瓦礫の埋め立てはメタンガスの発生や地盤沈下を招くと抵抗、広域処理や仮設焼却炉の建設に突き進んでいた。

しかし、宮脇氏の構想に賛同する市民や地元議員らが説得を続けた末、木質瓦礫の中でも丸太のみを活用した実証実験などの条件付きで認める方向に変わり、昨年4月に岩手県大槌町で、同5月には宮城県岩沼市で植樹祭が実現、気仙沼市や亘理町などでも市民レベルでの植樹が始まった。

7年前から「宮脇式」の植樹を進めている仙台市の輪王寺を事務局とした「いのちを守る森の防潮堤推進東北協議会」が地元の窓口に、細川護煕元首相が理事長に就く公益財団法人「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」が全国的な事務局となり、昨秋までに約1万2300本が植樹された。ただし目標の「9000万本」にはほど遠く、全国各地で東北のドングリを育てる苗木づくりがおこなわれている。

■点から線、線から面へ

ページ: 1 2 3

2013年3月1日(金)11:06

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑