資源エネルギー庁は12日、愛知県と三重県の沖合の遠州灘で実施しているメタンハイドレートの海洋産出試験で、天然ガスの産出を確認したと発表した。海底下のメタンハイドレートから天然ガスを取り出したのは世界初。
同試験は国の委託を受けた石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が実施。地球深部探査船「ちきゅう」から水深1千メートルの海底を掘削し、約300メートル掘り進んだ場所にあるメタンハイドレート層から減圧により天然ガスを取り出した。
今回の成果を受けて茂木敏充経済産業相は同日、「今回の生産実験の結果を踏まえ、商業化に向け技術確立を目指したい」と述べた。遠州灘付近の海底には日本の天然ガス使用量の10年分以上に相当するメタンハイドレートが埋蔵しているとされるが、商業化には採算性の克服が大きな課題となる。(オルタナ編集部=斉藤円華)