沖縄リピーター獲得へ、名護でエコツアー始まる

沖縄本島北部に位置する名護市を舞台に、農漁業や豊かな自然を体験するエコツアーを通じて観光客を誘致する取り組みが始まった。農家や漁師といった地域の人々と触れ合う機会を設けた一般向けエコツアーは沖縄県内でも珍しく、同ツアーの主催者は「地域での交流体験」を観光資源として活用することで、観光スポットめぐりに飽き足らない「沖縄リピーター客」の誘致拡大を狙う。

■漁師と網を引上げ 田植え体験も

漁師とともに網引きを体験(名護市辺野古で、及川均撮影)

同ツアーを企画するのはNPO法人ホールアース研究所「がじゅまる自然学校」(名護市)。同NPOは沖縄本島を中心に年間を通してエコツアーを行っているが、今回のツアーでは米海兵隊普天間飛行場移設問題で注目を集める同市辺野古の漁民がガイドする「海人(うみんちゅ)体験」や、1反の水田で有機栽培のイネを田植えする「畑人(はるさー)体験」、清流トレッキングなどを実施する。

「海人体験」では漁師とともに小船の上で網を引き、水揚げした魚は参加者自らで調理して食べる。他にも参加者の希望に応じて、有機栽培米を使った麹(こうじ)で味噌を地元の人の手ほどきで仕込んだり、参加者同士がグループを組んで市内の商店街などに設けられたチェックポイントを回る「ロゲイニング」を行ったりと、楽しみながら地元の人々と交流できる機会が設けられる。

有機栽培の稲の田植えを体験

3月1日から3泊4日で行われたモニターツアーには、沖縄県外を中心に14人が参加。大阪市の40代女性は「今まで本島の主な観光地を巡っていたけれども、個人旅行では農漁業体験はなかなか出来ない。田植えでは他の参加者とのチームワークも感じられて楽しかった」。沖縄県内から参加した60代男性も「沖縄に住んでいてもやったことがないような体験ができた」と述べた。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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