1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故は、ヨーロッパ初の大きな事故で、その影響がまだ残っているため、ドイツ人にとっては過去のことではない。4月22日から26日までイギリスやポーランド、ウクライナなど10カ国が「ヨーロッパアクション週」に参加し、各地で「チェルノブイリと福島後の未来のために」をテーマにした追悼の催しが開かれた。
ドイツでは、ベルリンやミンデンなど全国40都市で追悼イベントが開催。ドイツ北部のミンデン市(人口8万人)では約100人が訪れ、ろうそくを灯して、被災者を追悼した。
「チェルノブイリ子ども支援会」では、被ばくした子どもたちを受け入れており、今年は9歳から18歳の42人が3週間保養にやってくる。子どもたちは27年前の事故当時、まだ生まれていなかった。ひどい病気を患っているわけではないが、健康が損なわれている。
保養期間は、シュタイナー学校が場所を提供し、昼間は勉強したり遊んだりして過ごし、夜は里親の元に宿泊する。天気が良ければ、週に2、3回、里親や学校のドイツ人の子どもたちと一緒に遠足に出かけたり、泳ぎに行く。何よりも、汚染されていない食べ物を食べることが大事だという。実際に何回も保養に来ている大学生は、「たった3週間いるだけで、体調が目に見えて良くなる」と話す。
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