編集長コラム) 「CSRからCSVへ」に対する警鐘

今年3月24日、CSRについての一つの興味深い文書がインターネットに掲載されました。発信元は一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)と一般財団法人 CSOネットワークという、2つの非営利団体です。

そのタイトルは、「CSRとCSVに関する原則」について。文書は次のように始まっています。

(ここから引用)
マイケル・ポーター教授が2011年に提唱したCSV(Creating Shared Value 共有価値の創造)が日本で紹介されてから、「CSRからCSVへ」、「CSR はもう古い、これからはCSV だ」といった論調が見られるようになってきました。

CSVそれ自体というよりも、そうした日本でのとり上げられ方と、本来のCSR(企業の社会的責任)への影響に懸念をいだいた企業、NPO/NGO、消費者団体、シンクタンクなど諸セクターの有志により、研究会として「CSRとCSVを考える会」が2013年夏から4回にわたって開催され、議論が積み重ねられました。
(引用終わり)

実は私もその内容に賛同し、文書に署名をしました。その理由は、文書が指摘する通り、CSRとCSVを「似たような概念」ととらえ、CSVがあたかもCSRの進化形のようにとらえる動きがあったからです。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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