九州電力川内原発がある鹿児島県薩摩川内市で、原発事故時の一時避難施設が、津波が到達する危険が高い場所に設けられていることがわかった。国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンが10日、明らかにした。(オルタナ編集委員=斉藤円華)
NGOは6日から9日にかけ、地元住民とともに現地調査を実施。市の原子力防災計画では、自家用車で避難できない住民は徒歩で一時集合場所に集まり、バスに分乗して避難することになっている。ところがNGOによれば、市の滄浪地区と可愛地区で、津波発生時に浸水する危険性が高い海抜0~5メートルの地域にも一時集合場所が設けられていることがわかった。
「市の原子力防災計画は津波ハザードマップと整合性が取れず、複合災害が考慮されていない。同様の問題は全国の原発立地自治体でも起きている可能性がある」とNGOは指摘。一方、薩摩川内市は「複合災害は考慮すべきだが、住民が集まりやすい所に一時避難場所を設定する方が住民の安心感は高まると考えた」と説明している。