女性の能力を活かせる職場づくりを【ダイバーシティとジェンダー】

大西祥世
グローバル・コンパクト研究センター研究員
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大西 祥世(グローバル・コンパクト研究センター研究員)

女性のエンパワーメント原則「WEPs」の原則2は、同一価値労働同一賃金の支給、女性差別の撤廃、女性の働きやすい環境の整備、管理職や役員への登用など、企業が社員の人事管理の方針として女性のエンパワーメントに取り組むことを重視しています。

化粧品会社の資生堂は、社員の8割が女性です。1990年代から、経営戦略として、男女共同参画の推進と定着を熱心に行っています。同社はまず、仕事と育児や介護を両立できるように休業制度を充実させてきました。

2006年から、販売担当の美容部員が育児時間短縮制度を利用する際の代替要員として店舗に派遣される「カンガルースタッフ」制度を導入しました。この制度は社員に歓迎されて発展して、2011年では、900人の育児休業取得者を1400人の代替要員が支えるまでに拡大しました。資生堂は、結婚、妊娠、出産を理由とする女性の退職者がほぼゼロで、育休明けの復帰率はほぼ100%です。

資生堂は女性の管理職登用にも熱心です。2010年に、女性リーダーを2013年までに30%に引き上げる努力目標を掲げました。この高い数値目標を実現するために女性を管理職ポストに任用しやすくする組織替えを行いました。

さらに、女性のリーダー候補者を個別に育成する「一人別人材育成計画」を導入して、管理職登用へのパイプラインを作りました。こうした取り組みによって資生堂は女性のエンパワーメントの先進企業として広く認められています。

女性を採用し、育て、役員に

エステム株式会社は、愛知県名古屋市に本社がある廃水処理施設の維持管理を行う会社です。同社の業種は水質改善という伝統的に男性中心の職場でした。しかし、1985 年の男女雇用機会均等法の制定を機会にトップが「これからは女性が活躍する職場にする」という人事管理の方針を出して、女性を補助職ではなく営業職や技術職として採用しました。さらに、重労働や汚れる作業でも、女性にも均等に担当させました。

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大西祥世
グローバル・コンパクト研究センター研究員
博士(法学)専門は憲法、ジェンダーと法・政策。主著に『女性と憲法の構造』(信山社、2006 年)『ポジティブ・アクションによる女性のエンパワメントと平等推進―国連グローバル・コンパクトの新たなチャレンジ』(法學志林109 巻1 号、2011 年)『グローバル化における企業の公法上の位置づけ』(公法研究74 号、2012 年)など。

2014年7月28日(月)10:23

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