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大西 祥世(グローバル・コンパクト研究センター研究員)

WEPsの原則6は、企業が、地域の企業市民として、自治体、他の企業、大学、NGOなどのステークホルダーとも協働して、コミュニティにおける女性のエンパワメントという課題にともに取り組もうとするものです。フィランソロピーや助成金などを通じた社会貢献活動も含まれます。

日本では、大企業から中小企業まで、地域の女性スポーツのチームを支援したり、女性研究者に助成金や奨学金を給付したり、女性の人権問題に取り組むNGOやNPOの活動を助成したり、ピンクリボン活動などのキャンペーンに参加したりして、さまざまな社会貢献活動を行っています。

ただ、こうした取り組みは、企業が、相手の人や団体の活動を支援するという性質のもので、自社の経営への影響はそれほど重要視していません。しかし、さらに踏み込んで、地域のステークホルダーとともに、地域における女性のエンパワメントの推進とビジネスの発展に合わせて取り組む企業もあります。

第3号で取り上げた千葉県大網白里市の大里綜合管理は、自社の建物のスペースを利用して、地域の女性が日替わりシェフになるレストラン、ギャラリー、女性の手工芸品を販売するレンタルボックスなど、地域の女性が自分で小規模ながらビジネスを展開する機会を提供し、その事業を同社が支援しています。

地域課題の解決の要望を市民から持ち込まれた場合は、その市民が主人公になる解決策を模索し、同社はそれを応援することで地域の女性の問題解決力を高めています。市民同士や自治体などの関連機関や団体とのマッチングも行います。

そうすると、行政に対して苦情や文句を言うだけの人が、地域課題を解決するアクターに変わっていって、地域女性のエンパワメントの促進につながっています。同社は、ここで得た地域の女性からの信頼をもとに多彩で優秀な従業員を確保して、地域での企業活動に生かしています。

■海外ではビジネスと地域力が直結

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