協働の時代が求める「コーディネーター」役【CSRフロンティア】

このエントリーをはてなブックマークに追加

エティックはこうしたコーディネーターを全国に30団体持っていて、この存在なくして若者のチャレンジもないということになる。イベントでは全国9地域ブロックの予選を勝ち抜いてきた9事例が紹介され、若者、受け入れ団体、コーディネーターがこんなプレゼンを行った。

▼京都の老舗のお米屋さんにインターンに入った男子学生は仕事もできずトラブル続き、挫折するが、系列の料亭で皿洗いという地味な仕事をこなすことで、働く意味と喜びを見出す。悩んでいた家業のスーパーを継ぐことにも意欲がわいてきた。

▼横浜の女子大生は、横浜市が農業生産都市でもあることを知り、「横浜の人に横浜の野菜を食べてもらいたい」と頑張る料理人のもとでインターン。地域に入ってマルシェ(市場)を展開することで、人と人のつながりを創出することに成功した。

▼瀬戸内海に浮かぶ岡山県・六島にインターンに行った学生は、高齢者ばかりで8割の家が空き家と言う実態に驚きながらも、大学の学びを生かして集落の模型を完成。それを通して、保守的な島の人たちの意識変化を促し、域外の若者を活用した新たなまちづくりへの一歩を踏み出した。

このようなプレゼンテーションを聞きながら、ごく普通の学生がインターンを通して、社会の抱える問題や働くということに正面から向き合い、日々成長していく様子を実感することができた。また、受け入れる側の大人もまた、若者の明るさ、真摯な姿勢にうたれ、自分たちも変わっていくという点も意外感があり、感動した。

仲介するコーディネーターの苦労は並大抵ではないだろうと思うが、彼らの働きによって生まれた成果と喜びは、その苦労を忘れさせるほどの大きさであろう。

日本の社会を動かし、変えて行く、こうした企画はどんどん広がってほしいものだが、簡単ではない。ネックはこうしたコーディネーターが不足していることだ。文部科学省や経済産業省も大学生のインターンシップ促進を打ち出していて、意欲的な学生は今後増えるに違いない。これからは、間に入るコーディネーターをどう育成するかが新たな課題になりそうだ。

【はらだ・かつひろ】日本経済新聞社ではサンパウロ、ニューヨーク両特派員。国連、NGO、NPO、社会起業家のほか、CSR、BOP ビジネスなどを担当。日本新聞協会賞受賞。2010 年明治学院大学教授に就任。オルタナ・CSR マンスリー編集長。著書は『CSR優良企業への挑戦』『ボーダレス化するCSR』など。

(この記事は株式会社オルタナが発行する「CSRmonthly」第14号(2013年11月5日発行)」から転載しました)

原田 勝広氏の連載は毎月発行のCSR担当者向けのニュースレター「CSRmonthly」でお読みいただけます。詳しくはこちら

ページ: 1 2

2014年8月12日(火)11:21

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑