キリンビールマーケティングは8月27日、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(宮城県石巻市)の「若手漁師による次世代漁業作りと後継者作りプロジェクト」に対し、支援金として総額2000万円を助成した。フィッシャーマン・ジャパンは、平均年齢30歳の若手漁師や水産業の担い手が中心となり、「漁業をカッコよく」をコンセプトに設立された団体だ。(オルタナ副編集長=吉田広子)
「孤独感を抱え、『このままでいいのか』と悩みながら仕事をしていた。震災を機に、漁師の勉強会や交流会に参加するようになって、ほかの『浜』の悩みやアドバイスも聞けた。浜の垣根を超えて、一丸となり、漁師の相談に応えられる体制を整えていきたい」
こう打ち明けるのは、フィッシャーマン・ジャパンの赤間俊介共同代表理事(30)だ。海藻の「アカモク」漁師で、海藻をベースにした食品の加工メーカー「シーフーズあかま」(宮城県塩釜市)の3代目にあたる。
フィッシャーマン・ジャパンは、漁師や加工食品メーカー、卸など13人のメンバーから成り、今年7月に設立された。販路を共有したり、高付加価値の商品を開発したりするなどして、「水産業の6次産業化」を目指す。
27日には、オンラインショップを開始。漁師のファンクラブ「CLUB MERMAN」も立ち上げ、会報誌やイベントを通して、漁師と消費者が直接交流する機会を創出していく。
赤間共同代表理事は、「これまでは、注文を受けるがままに商品を納品していた。プライベートブランド商品ともなれば、自社らしさもなく、容量も価格も決まった『指値』で商品を卸す。『顔の見える関係』があるだけで、こんなにもやる気が引き出されるとは思わなかった」と話す。
■ 大企業と地元漁師で「楽しい食卓」を