海面上昇より政治マネーに翻弄されるミクロネシア

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2014年4月、気候変動対策ワークショップのためパキン環礁へ(中央)

2014年4月、気候変動対策ワークショップのためパキン環礁へ(中央)

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書によると、2100年までに世界平均の海面水位は最大0.98メートル上昇するという。大洋に浮かぶ小さな島では、高潮や沿岸洪水や海面水位上昇によって死亡、負傷、健康障害、生計崩壊のリスクが懸念される。日本から3719km離れたミクロネシア連邦の環境保護局で働く日本人、浜川喬弘さんに話を聞いた。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)

◆ミクロネシアの現状

――海抜5メートル以下のツバルは水没しかねない島として日本でもよく知られている。同じく赤道に近い太平洋に浮かぶミクロネシア連邦の現状は。

ミクロネシア連邦は4州607島からなる。主要島のコスラエ、ポンペイ、チューク、ヤップが各州の中心で、そこに人口約10万人のほとんどが集中している。いずれも山の島で、首都のあるポンペイ島は高さ約780メートル。そのため、低いサンゴ礁の島であるツバルのように深刻ではない。実質的な被害を受けるのは、一部の小さな島だろう。

――日本での豪雨や竜巻の増加のように、異常気象を肌で感じることは。

ポンペイ島に1年半ほど住んでいるが特にない。ポンペイ島は外礁(アウターリーフ)に囲まれていて外洋の波が直接当たらない。3.11の津波も海面の動きが変わっただけで沿岸部に被害は全くなかったと聞いている。

一方、コスラエ島はアウターリーフがなく荒波が直接当たる。海岸侵食が起きていて、外周道路に波が到達し対策が必要になっている。JICA(国際協力機構)が調査して防波堤を作るより高台に道路を敷設したほうが良いと提案した。

ただ、この海岸侵食が気候変動に起因するかどうかは、科学的に立証できていない。というのも、ミクロネシアの海面水位の変化についての基礎的なデータが不足しているからだ。また、コスラエ島の海岸侵食は20年以上前から言われており、近年の変化ではない。

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2014年9月5日(金)17:06

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