[書評:これが沖縄の生きる道]希望をベースに未来を描け

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沖縄県知事選挙が16日に迫った。一大争点は米海兵隊基地の辺野古沖「移設」の是非だが、この岐路は米軍基地問題だけに収まらない。『これが沖縄の生きる道』(仲村清司・宮台真司著、亜紀書房刊、税込1620円)は、今の沖縄が抱える様々な難問に果敢に分け入り、大胆にも処方箋を示そうとする一冊だ。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

『これが沖縄の生きる道』表紙

『これが沖縄の生きる道』表紙

沖縄は過重な米軍基地負担を強いられている。一方、沖縄は基地負担の見返りに、日本から長年にわたり多額の交付金、軍用地借地料を受け取ってきた。

薩摩侵攻以来、日本に服属し、さらに沖縄戦では4人に1人が命を落とした。そうした過去を背景に、沖縄は「ヤマトへの恨みを晴らす」とばかりに巨額のカネを本土から獲得。それを元手に社会インフラを整え、基地跡地を商業地へと再開発してきた。

しかし本書は、沖縄がこうした長年にわたる「恨み」を根底に、本土への依存を再生産してきた、とも指摘する。それゆえ「基地はいらない」という沖縄の訴えも、霞が関にとっては「沖縄の物取り交渉だ。全てはカネで片がつく」と受け止められることになる。

では、「物取り交渉」によってでなく、もし基地がなかったならばあり得た沖縄=「本来あったはずの沖縄」を実現するには、どうすればいいのか。宮台は住民投票の積み重ね、現実的な基地跡地利用計画、沖縄の頭越しでなされる日米交渉を認めない事、の3つが必要と説く。つまりは沖縄における住民自治の実現、ということだ。

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2014年11月14日(金)11:30

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