エコロジーとファッションが融合 ――米ナチュラルプロダクト・エクスポ速報

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寺町 幸枝(Yukie Teramachi)

全米最大のエコプロダクト見本市「ナ チュラルプロダクト・エクスポ・ウエスト」が3月初旬、カリフォルニア州アナハイムで開かれた。入場者数は47000人と、5年前の1.8倍に増 え、市場の成長ぶりを浮き彫りにした。今年最も目を引いたのは、サステナブル(持続可能)ファッションだ。リサイクル素材やオーガニック素材をただ使用す るだけでなく、ファッションという視点から見ても完成度が高いブランドが続々登場してきた。

今までオーガニックTシャツと言えば、生成りのTシャツにちょっとしたロゴプリントだけ、といったものばかりだった。だが、今年のショーでは、ドレ ス、バッグ、帽子、ジャケット、靴など、トータルファッションを提案できるデザイン性、多色使いなど、バラエティー豊富な商品が出回りはじめた。またカ ジュアルとハイエンド、といったように、単に「ナチュラルファッション」という言葉だけでは、くくれないないほどの種類のブランドが生まれた。

中でも今回人気を集めていたブースの一つ「シンプルシューズ」。ヘンプやリサイクルラバーなどの素材を用いた靴のメーカーである。「ホールフーズマーケッ ト」など、ナチュラルマーケットのショップに限らず、ロサンゼルスの人気ファッションブティックの「キットソン」をはじめ、ファッション感度の高い市場か らも、いまや注目の的だ。

人気の理由はそのデザイン性。本当にこれがサステナブル商品かと思わせるほどの、かわいさと履き心地の良さだ。30年以上靴メーカーとして、 TevaやUGGなどを作ってきた信頼のあるデッカーズ社が生んだブランドの一つであることも、少なからず関係があるだろう。

エクスポのメインイベントとして注目を浴びたのが、3月9日に行われた「バイタリティーファッションショー」である。今回のショーの特徴は、栄養補 給スナックバー(ニュートリションバー)メーカーの「thinkproducts」、大手ナチュラル商品スーパーの「Whole Foods Market」、そして大手モデルエージェンシーの「L.A. Models」により主催された点だ。

なぜスーパーマーケットであるホール・フーズ・マーケットが、ファッションショーを主催したのか。ホール・フーズ・マーケットの南太平洋地域社長の マイケル・ベサンコン氏は、「何を食べるかというのと、何を着るかということは、内面の美を表現することにおいては、同じくらい重要である。」と説明。現 在食の分野に限らず、ボディ/ライフスタイル部門として、コスメティック、衣料、雑貨などの広い分野の取り扱いに力を入れている同社にとって、ライフスタ イル部門での重要な「衣料」の分野へのサポートは自然な流れだったようだ。

特設された巨大テントの中では、同ファッションショーのコンセプトに共鳴した12社がスポンサーブースを設け、ワインやフードの無料サービスに始ま り、各社のサンプリングやモニタリングなどが行われた。またショーのスポンサーから集められた協賛金が、婦人科系のガン研究機関へも寄付されるなど、この ショー主催者が、ただのファッションショーに終らず、新しい力を生みだす場としての重要な場になる予感を感じさせた。招待されたバイヤー、プレス関係者、 ショー出展関係者など優に500人を越え、会場は大盛況だった。

実際にファッションショーを行った7社は、いずれもサステナブルファッションを提唱するブランドばかり。

中でも「リヴィティ・アウターナショナル」 は、バッグ、帽子やアクセサリー類を提案するカジュアルブランドで、ホールフーズにも商品を提供するカリフォルニア生まれの会社である。

オーナーであり、デザイナーのアイザック・ニコルソン氏が、自身の個人的なネットワークで、南米リマやチリなどの工場と、フェアトレードのビジネス アライアンスを構築。エージェントなどを使っておらず、商品の価格帯やクオリティーなど、全て自社でコントロールをしているため、ファッショナブルであ り、それでいて買いやすい価格帯の商品を生み出すことができている。

同社は西海岸のブティックを中心に、急成長しているブランドである。スタッフによると、ナチュラルプロダクトに携わる人々は、共に教え合い、分かち 合う傾向が非常に強いという。今回のファッションショーはまさに、その業界的特徴を表したような、和やかで、楽しい雰囲気が溢れるショーで非常に良かった と感想を話してくれた。その他のブランドは、ベビー、ジュニア服の「グリーン・ベビーズ」やデザイナーブランドである「デボラ・リンクイスト」など、30 分を越えるショーは終始喝采が続いた。

これまでナチュラル/グリーンマーケットと言えば、「衣・食・住」の「食」の分野中心に発展し、また関心が注がれてきた。そしてオーガニック食品は すでに流通も整い、一般の家庭に住む主婦が、スーパーマーケットで気軽に有機食品を手に入れることができるようになった。

そして今後は「衣」や「住」の分野への関心が増えそうだ。ホール・フーズ・マーケットを始めとした、毎日の生活に必要な食料を提供するスーパーマー ケットが軸となり、これらの付随した関連商品の提供が可能になることで、今後さらにマーケットとしての可能性は広がる。

26年目を迎える同エクスポの 出展者数は今年、3000を超えた。同エクスポは、ビジネストレードショーを運営する大手のペントンメディアグループが主催しており、米国西海岸以外で も、現在「イースト」「アジア」「ジャパン」と3つ開催されている。なお同エクスポは西海岸、東海岸ともにエコプロダクト関係のトレードショーとしてはい ずれも最大で、新商品の展示、モニタリングをはじめ、教育、啓蒙活動のセミナーや、ネットワーキングイベントなどが、期間中に様々企画されている。

2007年3月19日(月)18:43

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