開発協力大綱でNGO「非軍事の徹底を」

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政府が10日に閣議決定した「開発協力大綱」をめぐり、貧困問題などに取り組む国際協力NGOが「非軍事の徹底を」と訴えている。開発協力大綱は日本の対外援助政策の柱となるもので、従来のODA(政府開発援助)大綱に代わるもの。今回の改定で初めて、非軍事分野の開発協力に相手国の軍がかかわる場合でも「個別具体的に検討する」とした。NGO関係者は「政情不安地域での活動が困難になりかねない」と懸念する。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■NGO「中立な支援難しく」

(CC)   Amir Farshad Ebrahimi.

(CC) Amir Farshad Ebrahimi.

開発協力大綱では、前大綱の「援助は非軍事に限る」とする原則を踏襲。その一方で「民生目的、災害救助等非軍事目的の開発協力」については「個別具体的に検討する」とし、相手国軍への支援を実質的に認める内容だ。

国際協力NGOセンター(JANIC)他、国際支援を行うNGOは10日に緊急声明を発表。この中で「軍への支援は、たとえそれが当初は民生目的であっても、相手国の軍によって軍事目的に転用される恐れが常にある」と指摘。「日本のODAが将来、歯止めなく軍事協力に傾斜していく可能性について、強い疑念を持たざるを得ない」としている。

民生目的であっても相手国軍への支援を行うことは、現地で活動する日本のNGOにとってリスクとなる可能性がある。

JANICで政策提言を担当する堀内葵氏は「例えば政情不安地域で、非武装中立の立場で地域に根ざした支援活動がしにくくなる。民生目的の支援でも、そこに軍が関係すれば『日本は一方の勢力に肩入れしている』と誤解される恐れが生じる」と話す。

■「基礎的社会サービスの支援を最優先に」

緊急声明では、大綱の重点課題の一つである貧困対策についても言及。大綱では「質の高い成長」を目標に、産業・職業育成、先端技術の導入などを通じて経済成長を実現し、貧困解消を図るとする。

これに対して声明は、教育や保健医療をはじめとする基礎的社会サービスの提供や、累進課税をはじめとする富の再分配システムの構築の支援を最優先にするよう要望。経済成長を通じた貧困対策だけでなく、貧困層との対話を通じて必要な社会サービスや富の再分配が行われるよう、NGOとの連携強化を訴えている。

堀内氏は「教育や保健医療の分野に市場メカニズムが導入されれば、対価を払って教育や医療を受ける仕組みが作られる可能性がある」と述べ、経済成長だけではない貧困対策を行う必要があるとの考えを示した。

2015年2月13日(金)18:04

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