■軍国主義と原子力独裁
最近逝去されたヴァイゼッカー元ドイツ大統領の「過去に目を閉ざすものは、現在に対しても盲目となる」との警鐘を多くの心ある国民は想起しております。過去を直視しないことから反省をせず、巻き返しを行うという点で軍国主義と原子力独裁が重なり合います。戦前への回帰の動きと原発再稼働への執着がその証左です。このような日本の現状のもとに福島事故への対応に最大限の対応をせずに、地球環境の加害者といわれながら東京五輪を開催しようとする日本に対し国際社会は不安と批判を強めつつあります。(元駐スイス大使=村田光平)
3月14日から18日まで仙台で開催された国連防災会議でも福島事故を取り上げないことが暗黙の了解とされていたようです。
私は3月16日、東北大学で同会議枠内の行事として開催された市民レベルの環境法会議で「原発事故と地球倫理」と題する下記のスピーチを行いました。
昨年3月にニューヨークで潘基文事務総長の指示でマレガリータ・ヴァールストローム特別代表(防災担当)が私と会談したことが今回の会議参加の背景にありますが、仙台ではその筋からか邪魔(?)が入ったと思われます。予定されていた16日13時からのセッションが17時~20時に急遽変更となり、最後のスピーカーとされました。
幸い議長(フランスの著名な憲法学者)が私のフランスの親友の令息の学位取得の指導にあたりこのほど無事成功したということが前日にわかり、この偶然(天地の摂理!)のお蔭で議長は時間切れを回避してくれましたのだと見ております。スピーチを終えたのは会場が閉められる2分前でした。まさにハラハラさせるフィナーレでした。幸い心強い反響がありました。
スピーチの骨子は次の通りですが、原発事故を真正面から取り上げたユニークなものと受け止められました。内外で幅広く拡散されております。
■国連防災会議におけるスピーチ(邦訳骨子)