「障がい者雇用成功のカギは採用プロセスの構築」(2)[橋本 一豊]

橋本一豊2

前回のコラムでは、企業における障がい者雇用の実情と雇用促進に関連する法律や制度、障がい者雇用を成功させている企業の実践と雇用プロセスのサポートを行なう支援機関の役割について説明した。第2回となる本コラムでは、障がい者雇用を検討している企業の具体的なニーズと、それに対応する支援機関について説明していきたい。(特定非営利活動法人WEL’S新木場=橋本一豊)

■障がい者雇用を検討している企業のニーズとは?
これまで雇用を検討する企業から多くの相談を受けて来た。企業のニーズとしては、法定雇用率の達成や雇用率達成指導による雇用計画など、また安定した労働力の確保を求めるものが多い。ほかにも、地域社会での存在価値向上(社会的責任)を狙っている企業もあった。

具体的な相談内容としては、「経営トップ(あるいは現場)の理解が得られない」というものから、「専門的な仕事しかなく、障がい者にできる簡単な仕事がない」、「雇用管理の方法がわからない」といった技術的なもの、「求人を出してもいい人が来ない」、「忙しいので障がい者のサポートができない」というものが挙げられる。「雇用したいが何から準備していいのかわからない」、「何かあった時にどうしたらいいのか不安」、「障がいや病気のことなどわからない」などといった漠然とした不安も含まれた。

このような不安は、雇用を検討する段階で関連機関と情報を共有しながら雇用に向けた準備を具体的に進めていくうちに解消されていくようだ。

最近では、さまざまな障がいのある方が、さまざまな職種で戦力として活躍している事例も増え、雇用を検討する企業の準備段階で担当者をアテンドする機会も増えてきた。実際に企業の見学に行くと、「これまでの不安が一気に解消された」という声が多く、雇用検討チーム内での具体的な計画もよりスムーズになったとの話を伺うことが多い。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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