「この国は独裁国家か」辺野古ゲート前で抗議の市民

「民意が無視されている」。沖縄・辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブのゲート前では連日、朝早くから市民が駆けつけ、新基地建設への抗議を行っている。抗議参加者は、基地建設撤回の民意が示されているにもかかわらず、国が無視して作業を続けることに憤る。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■工事車両の進入で緊迫

ゲート前で工事車両の進入を警備する警官隊。市民が抗議する=28日朝、沖縄・辺野古で
ゲート前で工事車両の進入を警備する警官隊。市民が抗議する=28日朝、沖縄・辺野古で

すでに梅雨に入った沖縄本島では、28日未明から本降りの雨に。朝6時頃から、抗議の市民が次々とゲート前にやってきた。新基地建設のための工事車両がゲートに入るのを止めるためだ。その数4、50人ほど。雨のため、海上抗議組もゲート前に合流した。

7時、警官隊が車道手前に整列。その向こうに工事車両が姿を見せた。「アルソック」の社名が入った民間警備員がゲートを開けると、「基地を作るな」との怒号をよそに、車両は次々に中へと消えた。時間にして数分の出来事だ。

週3回、沖縄市から駆けつけるという男性(66才)は「時間が許す限り参加したいが、なかなか工事車両を止められない」と悔しさをにじませる。「沖縄を無視する国のやり方は独裁国家と同じ」(男性)。

金武(きん)町に住むパート従業員の女性(58才)は、友達と交替で抗議への参加を続ける。「警備の人が上からの命令で動いているのは知っている。でも私も命のため、子や孫の未来のために抗議する」と女性。「戦後の沖縄で、女性が米兵の暴行から身を守るために顔に泥を塗った、と聞かされた。戦争で被害を受けるのは女性だ」と話す。

一昨日の26日に菅義偉官房長官は、沖縄県が新基地建設にともなう埋立承認を取り消した場合でも工事作業を進める、との考えを示したばかり。女性は「選挙で繰り返し示された沖縄の民意が反映されていない。何のための選挙か」と訴えた。

■国の焦りの反映か

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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