米国雪氷データセンター(NSIDC)は7月7日、5月の北極の海氷の減少が過去最高になったと発表した。同月の1日平均の減少面積は、衛星観測を始めた1979年から2000年の同月平均より約5割も多い6万8000平方キロメートルに達した。これは1979年以来の最大値となる。
2007年に夏の海氷面積が最小となったが、このまま推移すれば、この記録を更新する可能性も出てきた。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は2007年に発表した第4次報告書で、2070年ごろまでに温暖化によって夏の北極の海氷がなくなる可能性を指摘しているが、IPCCの引用した研究よりも早いペースで氷が減っている。
NSIDCは1982年に米国海洋大気庁(NOAA)が設立した研究機関で、米国航空宇宙局(ASA)などと地球観測を続けている。