途上国と消費者の課題を同時に解決――エシカルを前面に出さないマーケティング[田口 一成]

田口一成
ボーダレス・ジャパン代表取締役社長
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「これはエシカルな商品だから買おう」という消費者はまだまだ限られています。より多くのソーシャルインパクトを出すためには、「エシカル」を超えたより大きな市場を創りださなければいけませんでした。

ではどのように「高付加価値」を付け、8.5億円の売上をあげる事業に成長させたのか。

ミャンマー・リンレイ村の自社農園でのハーブの栽培指導

ミャンマー・リンレイ村の自社農園でのハーブの栽培指導

それは、ちょうど妻が母乳育児で悩んでいたというところにヒントがありました。よく調べてみると「授乳期ママの約60%が母乳不足で悩んでいたのです」そしてその母乳不足を解決する手段が「ハーブ」にありました。この事実を知った時「これだ!」と思いました。妊産婦さんにヒアリングを重ねた結果、妊産婦ケアの第一人者である助産師と英国メディカルハーバリストを開発パートナーに迎え入れ、妊娠・授乳中に飲んでも安心なハーブのブレンド開発をスタートさせたのです。

こうして誕生したのが「AMOMA natural care」という商品。今では、年間約40トンのオーガニックハーブを輸入しています。これは、約150世帯の農家の生産量にあたります。2014年からは、たばこ栽培による農薬被害と経済的貧困に悩まされているミャンマーのリンレイ村に現地社員たちが住み込み、貧困農家に有機農法を直接指導し、オーガニックハーブの契約農家として迎え入れています。

ボーダレス・ジャパンはこのように、ソーシャルインパクトの最大化を目指さして事業展開をしているため、「エシカルマーケティング」とは違う切り口で事業戦略を組み立ています。次回は、事業開始から1年半でアジア最貧国・バングラデシュに300名の雇用を産み出した「Business Leather Factory」についてご紹介します。

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田口一成
ボーダレス・ジャパン代表取締役社長
1980年生まれ。福岡県出身。早稲田大学商卒。大学2年時に、発展途上国で栄養失調に苦しむ子どもの映像を見て「これぞ自分が人生をかける価値がある!」と決意。25歳で創業。現在は、日本・韓国・台湾・バングラデシュ・ミャンマーで「人種差別」「貧困問題」「環境問題」などに対する9つのソーシャルビジネスを推進中。

2015年11月5日(木)19:05

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