使用すれば国の「有機補助」対象外に――肥料メーカー成分偽装で

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秋田市の太平物産が生産し、JA全農(全国農業協同組合連合会)が昨年販売した約4万トンの肥料で、成分を偽装して出荷されていたことが5日までに判明した。これを受けて農林水産省は同日付で文書を発出。有機農業や環境保全型農業で、国から交付金を受けている取り組みにおいて問題の肥料を使用した場合には「交付の対象とならない」として注意を呼び掛けている。(オルタナ編集委員=斉藤円華)

■JA全農「実態把握これから」

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太平物産が成分を偽装した肥料は、東北から関東甲信越にかけて11の県に供給された。今回農水省が問題視したのは、有機農産物や特別栽培農産物に使用される「有機入り複合肥料」。JA全農が太平物産から仕入れ、昨年4月から同年内に販売した約4万トン・783銘柄の内、7割近い約2万6千トン・597銘柄が該当するという。

有機農産物は、JAS規格に適合することを認証した上で「有機JASマーク」を表示して販売される。特別栽培農産物は、一般的な農業(慣行農業)と比べて農薬や化学肥料の使用量を半分以下に抑えたものをさす。

国は農業生産者に補助金を交付する「直接支払制度」の中で、有機農産物や特別栽培農産物を対象とした「環境直接支払」を行う。しかし今年度に問題の肥料を使った場合、事業の要件から外れるため、交付を受けられない。なお昨年度以前の使用に関しては、国は交付金の返還を求めない。

成分を偽装した肥料の今年の出荷量について、JA全農は「まだ判明していない」と説明。また、「有機入り複合肥料」が実際にどのように使われたのかも「これから実態把握する」としている。

有機認証業務を行う有機農業推進協会は「問題の肥料が、実際にどれだけ有機農産物の生産現場で使われたのかが分からない」と困惑気味。JA全農は今回の成分偽装により生産者が被る被害について補償する方針だ。

2015年11月6日(金)17:03

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