東アジア鰻資源協議会日本支部は7月9日、東京大学で公開シンポジウム「うな丼の未来4」を開催した。多様なステークホルダーが一堂に会し、ウナギの現状と保全策を話し合った。4回目の今年は資源量の不足を補う代替品が明るい話題を提供した。(オルタナ編集委員=瀬戸内千代)
研究者に加えて、日本鰻協会や全国鰻蒲焼商組合連合会、パルシステム生活協同組合連合会が登壇した。総合討論では、「文化の継承には良質なウナギが必要だが、大量消費される安価なウナギは代替品でも十分」といった意見が出た。
国内のウナギ消費量は年々減少しており、激減していたシラスウナギの採捕量は2014年以降やや回復している。しかし人気のニホンウナギの資源量は依然として全く足りず、輸入ウナギに頼って海外種の生存まで脅かしているのが現状だ。
近畿大学の有路昌彦教授は、「ウナギの枯渇を避けるには、需要そのものを減らすほかない」と述べ、代替品として同大学が開発した「ウナギ味のナマズ」について講演した。
今年の企画責任者の吉永龍起・北里大学准教授は、「消費量が最も増える丑の日(7月30日)までの3週間、ウナギ資源のためにできることを一人ひとりが考えてほしい」と語った。