「人はなぜ森をつくるのか」。その理由を考えてみた

岩崎 唱
NPO法人 森のライフスタイル研究所 遊撃隊員
このエントリーをはてなブックマークに追加

 

当団体の代表と居酒屋で話をしていたら「海や川を人がつくることはできないが、森なら人がつくることができる」とおもしろいことを言った。しかし、よく考えてみると運河があるから、川は人がつくれる。だが海はさすがに難しいだろう。たしかに森は、人の手によってつくり、育て、守っていくことができる。しかし、なぜ森をつくるのか、その理由について少し考えてみた。

ブナの原生林(長野県木島平村 カヤの平高原)

森のライフスタイル研究所の森づくりツアーでは毎回、参加者に簡単なアンケート調査を実施している。その中の設問の一つで森づくりに参加した理由をお聞きしている。選択式の問なので参加者の個別の想いまでは汲み取れていないが、いちばん多かったのが「森や自然が好き」という回答。次が「社会貢献がしたい」、「身体を動かしたい」と続いている。好きだから、森をつくる。森づくりに参加していただくには、森を好きになっていただくことが必要だ。

さて、企業ではCSV経営の一環で社員の心と体の健康づくりを重視した「健康経営」が求められ、その中で森林を活用した健康づくりや教育研修への関心が高まっているという。森のライフスタイル研究所が森づくり活動のサポートをしている企業では、社会貢献活動や環境活動などの観点から森づくりを実施しているケースが多く、新入社員研修の一環として森づくり活動を取り入れている企業もある。

「森」という会社生活からみると非日常の空間の中で共に汗をかくことにより連帯感が芽生えチームビルディングに役立つようだ。また、泊りがけの活動では、普段の業務で接することがない部署の人間と打ち解けることができたり、社内では話しかけにくい他部署の上司とも気軽に話すことができたりと、社内融和という点でも大きなメリットがある。これからは社員の心と身体の健康管理という森林の機能にも、大いに注目していただきたいものだ。

森はどう誕生したか

ページ: 1 2 3

岩崎 唱
NPO法人 森のライフスタイル研究所 遊撃隊員
平凡なコピーライター。緑の雇用担い手対策事業の広告制作に携わり、広報誌Midori Pressを編集。全国の林業地を巡り、森で働く人を取材するうちに森林や林業に関心を抱き、2009年の森と洋服のプロジェクトよりNPO法人 森のライフスタイル研究所の活動に参加。以来、森づくりツアーやツリークライミング体験会等の企画運営を代表の竹垣英信と共に担当。森林、林業と都会に住む若者の窓口づくりを行っています。TCJベーシッククライマー。

2017年6月3日(土)19:10

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑