養殖の町「愛南」に30億円のファンド創設

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魚類養殖生産量が日本一の愛媛県で、養殖業を支援するファンドが発足した。地域経済活性化支援機構(東京・千代田、略称レビック)が8月に伊予銀行と宇和島信用金庫と共に立ち上げた5年期限の「愛媛南予水産業創成投資事業有限責任組合」である。レビックと伊予銀行が資本金5000万円で新設した合併会社「いよぎん・REVICインベストメンツ」(愛媛県松山市)が無限責任組合員となって運営する。(オルタナ編集委員・瀬戸内千代)

ファンドを利用して新設予定の加工場で扱うマダイ

ファンド対象は愛媛県の主要産業である海面養殖業と水産加工業。中でも養殖生産額日本一の漁協「愛南(あいなん)漁協」があり水産関連企業が集積している愛南町に特化する。

レビックは2013年に企業再生支援機構から改組され、現在は地域活性化を目的に創業から事業再生まで幅広く企業支援を行っているが、特定地域で特定産業のためにファンドを立ち上げたのは今回が初めて。

愛南漁協は、10魚種(マダイ、ブリ、カンパチ、シマアジ、サツキマス、クエ、カワハギ、スズキ、スマ、クロマグロ※)について今年3月、漁協単体では初となる「AEL認証」を取得した。AELは日本食育者協会が2014年に発足した養殖エコラベル制度で、8月末現在、愛南漁協を含め9つの主体による19件の認証例がある。

MELと並ぶ日本独自の水産エコラベルだが、東京五輪の「持続可能性に配慮した水産物の調達基準」には、国際的な認証制度であるMSCやASCと併記されている。

愛媛県、愛南町、愛南漁協、久良漁協、伊予銀行、宇和島信用金庫およびレビックの7者はファンド創設を機に、協働のための包括協定を締結した。同ファンドは今後、参加事業者が共同で利用できる水産加工・企画販売会社を新設予定で、最大30億円の出資を見込んでいる。

愛南町水産課の浜哲也課長補佐兼水産振興係長は、「一丸となり『チーム愛南』として地域を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。11月15日から21日には初めて高島屋(玉川店と新宿店)で「愛媛県愛南漁港フェア」(仮)を開催し、対面で首都圏の消費者においしさを届けるという。

※注:太平洋クロマグロは絶滅危惧種だが、AELは愛南漁協の養殖クロマグロは「自社生産した完全養殖種苗」であるとして認証した。一方、MEL(マリン・エコラベル・ジャパン協議会)は現在、GSSI(世界水産物持続可能性イニシアチブ)認定を目指し改革を進めている。GSSIは認証制度を審査し認定する国際機関で、その承認を得るにはクロマグロを認証から外す必要があるという(垣添直也MEL会長談)。姉妹ラベルのAELの基準も、今後、見直される可能性がある

2017年9月12日(火)15:40

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