難民支援団体がNHKに抗議「難民のイメージ損なう」

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NHKは6月6日、番組「クローズアップ現代」で、「自称”難民”が急増!?超人手不足でいま何が…?」を放送した。認定NPO法人難民支援協会(略称JAR、東京・千代田)は、その内容が「『日本にいる難民が偽装や自称である』といったイメージを植え付けかねない」として、NHKに抗議する声明文を発表した。全文は以下の通り。(オルタナ編集部)

2018年6月6日のNHKクローズアップ現代で、「自称”難民”が急増!?超人手不足でいま何が…?」というタイトルの特集が放送されました。就労を目的に難民申請をする人たちのみが取り上げられ、日本に庇護を求めて逃れてきた難民の存在について触れられることはありませんでした。

就労のみを目的に難民申請する人がいることは事実としても、難民問題への認知が低い日本社会において、今回のような偏った取り上げ方により、「日本の難民=自称、偽者」といったイメージを植え付けかねず、懸念しています。

JARには年間約700人が相談に訪れます。彼らは、紛争や人権侵害から、切実な思いで日本に逃れてきた難民です。しかし、日本の難民審査は極めて厳しく、昨年認定されたのは、わずか20名。難民として保護されるべき人も救っていないのが、日本の難民保護の現状です。今回の放送は、そういった現状に触れず、難民申請者全体のイメージを著しく損なう内容に終始していた点で、非常に遺憾です。

難民に該当しない人が、就労のみを目的に難民申請することは、JARとしても不適切だと考えます。しかし、それは、労働力を必要とする日本社会の現状に見合った外国人労働者の受け入れ政策がないなかで生まれている現象に過ぎません。

法務省はこの問題に対して、難民申請者の就労をより厳しくする方針を打ち出していますが、根本的な解決策にならないどころか、難民として帰れない事情がある人たちが生き延びる手段までも奪ってしまいます。

この問題は、難民認定制度のなかだけでは解決できず、労働力を必要とする日本社会の現状に見合った外国人労働者の受け入れや包括的な移民政策が必要です。そして、難民認定制度については、難民ではない人の取り締まりに終始するのではなく、難民として保護されるべき人が、適切に保護されるために必要な対策が講じられるよう、JARはこれからも働きかけ続けます。(認定NPO法人難民支援協会)

◆日本に来るのは「偽装難民」ばかりなのか?難民認定、年間わずか20名の妥当性を考える
https://www.refugee.or.jp/jar/report/2018/02/13-0002.shtml

2018年6月7日(木)20:48

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