SDGsは政策での「主流化」が進むか?

笹谷秀光
伊藤園 顧問
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持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)については政府内の重要文書で取り上げられ、予算や制度がこれにシフトしていく政策の「主流化」に向かっていくであろうか。本年6月決定の「骨太の方針2018」「未来投資戦略2018」「拡大版SDGsアクションプラン2018」はいずれも日本の今後のSDGsと政策の方向性を示すものだ。今回は「骨太の方針2018」「未来投資戦略2018」とSDGsについてご紹介する。(伊藤園 顧問=笹谷 秀光)

「地球は2つない」東京大学One Earth Guardian育成プログラムキックオフ公開シンポジウム ―私たちは、100年後の地球に何ができるか―」での筆者(2018年5月18日)

■骨太の方針2018とSDGs

6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」、いわゆる「骨太の方針」および、経済成長の道筋を示す「未来投資戦略2018」とSDGsの関連を見ておきたい。

SDGsについては、骨太の方針「第2章 力強い経済成長の実現に向けた重点的な取組」の「安全で安心な暮らしの実現(1)外交・安全保障の強化」という項目の中で触れられた。

積極的平和主義の旗の下、持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて、貧困対策や保健衛生、教育、環境・気候変動対策、女性のエンパワーメント、法の支配など、人間の安全保障に関わるあらゆる課題の解決に、日本の「SDGsモデル」を示しつつ、国際社会での強いリーダーシップを発揮すると記載されている。

その注記の中で、第4回SDGs推進本部(平成29年12月開催)決定の「SDGsアクションプラン2018」が紹介され、Society 5.0の推進、地方創生、女性・次世代のエンパワーメントを3本柱とする日本の「SDGsモデル」が掲げられた。

これにより、「SDGsアクションプラン2018」が骨太の方針の中に位置づけられたことは大きい。今後SDGsの政策面での「主流化」が進み、各府省庁の予算や政策の「骨」となり、これに「肉付け」されていくことが期待される。あとは、8月末に各府省庁で要求される来年度予算や制度改正でどの程度具体策が盛り込まれるかがポイントだ。

以上の文書はいずれも日本の今後の政策の方向を示すものであるので、原文に当たって一読されることをお勧めしたい。

■未来投資戦略2018とSDGs

「未来投資戦略2018」でもSDGsについて、「 (4) 『Society 5.0』の実現に向けた戦略的取組」という項目の中に記載がある。

「第4次産業革命の社会実装によって、現場のデジタル化と生産性向上を徹底的に進め、日本の強みとリソースを最大活用して、誰もが活躍でき、人口減少・高齢化、エネルギー・環境制約など様々な社会課題を解決できる、日本ならではの持続可能でインクルーシブな経済社会システムである『Society 5.0』を実現するとともに、これによりSDGsの達成に寄与する。」

この文言と盛り込まれたキーワードが今後のSociety 5.0とSDGsの関連を考える上での表現として政府内で使われていくだろう。

■「第4次産業革命」「Society 5.0」とSDGs

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笹谷秀光
伊藤園 顧問
東京大学法学部卒。1977年農林省入省。2005年環境省大臣官房審議官、2006年農林水産省大臣官房審議官、2007年関東森林管理局長を経て、2008年退官。同年伊藤園入社、2010-2014年取締役、2014-2018年常務執行役員、2018年5月より現職。著書『CSR新時代の競争戦略』日本評論社・2013年)、『協創力が稼ぐ時代』(ウィズワークス社・2015年)。『 経営に生かすSDGs講座』(環境新聞社・2018年)。 笹谷秀光公式サイトー発信型三方よし(https://csrsdg.com/)

2018年8月25日(土)12:53

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