仏:ユロ環境連帯相が辞任、「嘘はつきたくない」

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8月28日朝(フランス時間)、ニコラ・ユロ環境連帯移行相がラジオで辞任を発表した。エマニュエル・マクロン大統領、エドゥアール・フィリップ首相も事前に相談を受けておらず、寝耳に水だった。ユロ氏は「もう嘘はつきたくない」とラジオで発言。フランスのエコロジーの象徴的な存在だったユロ氏を失い、マクロン政権の環境政策は大きな打撃を受ける。(パリ=羽生のり子)

ユロ氏の辞任発言は、狩猟改革についてのマクロン大統領と全仏狩猟家連合会長の会合に出席した翌日だった。フランスでは、狩猟を許可された種の数が64と、EU(欧州連合)他国の14よりも多く、許可された中にはレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に含まれる20種が入っている。

昨日の会合で、狩猟家連合は、狩猟許可証代を半額にする約束をマクロン大統領から取り付けた。辞任を決めたのは昨夜だというユロ氏は、「昨日の会合がきっかけで決断したのではなく、度重なる失望の結果」と断りつつも、「呼ばれてもいない狩猟ロビーが来ていた。誰が政治を行うのか。これは民主主義の問題だ」とラジオ局「フランス・アンテール」の40分のインタビューの中で怒りをあらわにした。

また、「自分が内閣にいることで、(環境について重要なことができるという)幻想を与えたくない。自分一人では何もできない」とも語った。

ユロ氏は、14カ月の就任期間中、南西部のノートルダム・デ・ランドでの新空港建設予定を断念させたこと以外は、自分の提案を政府から拒否されたり、国会で否決されたりと、思うように環境政策ができなかった。

今回の決断について、大統領選中、マクロン氏を支持したコリーヌ・ルパージュ元環境大臣は「よく理解できる」とラジオ「フランス・アンフォ」で発言。野党の左派「不服従のフランス」のジャン=リュック・メランション党首は「ユロ氏の辞任はマクロン政権への不信任だ」とツイートした。

ユロ氏はテレビの環境番組のレポーター出身で、一般に絶大な人気があり、マクロン政権の閣僚の中で一番人気がある大臣だった。

マクロン大統領はデンマークに外遊中で、通常は外遊中に国政についての発言をしない方針だが、今回は特例で、「ユロ氏の個人的な決断を尊重する」と記者会見で発表した。

2018年8月28日(火)22:13

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