被災者自らが震災後の社会課題に挑む、宮城

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東日本大震災支援全国ネットワーク(以下JCN)は11月13~14日、「JCNツアー2018『答えは東北にある.』」を宮城県で開いた。参加者は現地の団体との対話、交流、現場視察を行い、被災地のニーズと向き合った。報告する。(オルタナ総研スペシャリスト=室井 孝之)

「参加者と話すPEACE JAM理事長の佐藤賢氏」

訪問先は、農業支援の学生ボランティアである一般社団法人ReRoots(仙台市、代表広瀬剛史氏)、子どもをを中心とした地域の居場所事業を営むNPO法人こども∞感ぱにー(石巻市、代表理事田中雅子氏)、大川小学校を伝える大川伝承の会(石巻市、語り部佐藤敏郎氏)、クラフトビール「巻風エール」を販売する一般社団法人イシノマキ・ファーム(石巻市、代表理事高橋由佳氏)、ジャムやベビー用品を製造販売するNPO法人PEACE JAM(理事長佐藤賢氏)、気仙沼市の復興公営住宅の幸町住宅自治会(会長小泉則一氏)、一般社団法人気仙沼まちづくり支援センター、代表理事塚本卓氏)、一般社団法人ボランティアステーションin気仙沼(事務局畠山輔氏)、女性のエンパワーメント事業を創出するNPO法人ウイメンズアイ(南三陸町、事務局長栗林美知子氏)、介護支援事業を運営する社会福祉法人南三陸町社会福祉協議会(地域福祉係長高橋吏佳氏)の9団体である。

学生ボランティアが農業支援ReRootsを発足させた時、代表の広瀬氏はサーフィンで訪れた仙台市若林区の農業の復興に世話人役として関わった。後継者不足、平均年齢66歳という高年齢化が進む農業課題に被災者目線で向き合った。農村文化を取り入れる事が出来なければ地元には入れないと力説する。

ReRootsから、新規就農者4人が育成された。ReRoots自身が将来的に地域のプレイヤーとして育つため、農業部門は農業法人化へ、ツーリズムやコミュニティーづくりはNPO化し、住民と一緒に地域づくり、地域おこしにつなげたいと抱負を語った。

PEACE JAM理事長の佐藤氏は、気仙沼市でBlues Barを営んでいた。震災の翌日、母乳が出なく、ミルクを買えない母親を見かねて70km離れた旧古川市へ買い出しに出向き、ミルク、おむつ、お尻拭きを避難所に届けた。

その後、在宅難民、生活困窮者、母子の孤立対応の為、支援物資マッチング専用ホームページを立ち上げ、3,000名に物資を提供した。

子育層の聞き取り調査で、「働ける場と環境の不足」「育児の知識と情報の不足」「遊び場の不足」という、もともとの地域課題が震災と共に表面化し、これを解決する為、母親が、子どもの世話をしながら働けるPEACE JAMを生み出した。
今年の西日本豪雨の際は、1,300枚のベビーモスリンを被災地に提供した。今後は、起業チャレンジャーに対する伴走支援にも取り組みたいと決意を示した。

2018年11月20日(火)1:02

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