「SDGsウォッシュ」にご用心(1)[電力編]

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2015年に国連でSDGs(持続可能な開発目標)が採択されて3年が過ぎました。日本でもその知名度は高まってきましたが、その一方で、SDGsに取り組んでいるフリだけする「SDGsウォッシュ」も散見されます。そこで、日本で気になるSDGs ウォッシュを集めてみました。第1回目は電力業界です。(オルタナ編集長・森 摂)

■目標7「クリーンエネルギー」のゴール7.1:
「2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる」こと。

クリーンエネルギーとは具体的には太陽光や風力、地熱、バイオマス、水力などの再生可能エネルギーを指します。水力の中でも大規模ダムによる発電は、ダム建設による地域への環境負荷が無視できないため、再生可能エネルギーとは分ける統計もあります。

一方、石炭や石油など化石燃料による発電は推奨されません。すでにグローバルな投融資の世界では、特にCO₂の排出が高い石炭からの「ダイベストメント」(投資撤退)が主流になっています。

原子力発電も、発電時のCO₂排出量は低いものの、原子炉建設や廃炉におけるCO₂排出のほか、福島第一原発のような過酷事故が与える環境負荷を考えると推奨されません。

実際、日立製作所がこのほど英国での原子力発電建設のプロジェクト中止の発表をしたように、グローバル規模でみると、投資見直しや建設中止の流れが明確になっています。

このような流れの中で、家庭も企業もできるだけ再生可能エネルギーを使うことが、SDGsの趣旨に沿っているといえます。特に企業については、「RE100」と呼ばれる自然エネルギー100%を目指す国際的な枠組みもでき、環境省もこれを推奨しています。

日本では2016年4月に電力の小売り事業が自由化され、さらには2017年4月のガス自由化もあり、エネルギー業界はかつてない顧客獲得競争が繰り広げられています。

もちろん皆さんにとって「安さ」は大事です。しかし、皆さんが切り替えようとしている電気が何による発電なのか、それが環境に与える負荷(CO₂など温室効果ガス)はどうなのかは知っておくべきでしょう。

その中で、特に気を付けなければならないのは、一見、環境に優しいようで、実際はそうではない可能性があることです。

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2019年1月30日(水)10:46

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