愛しくも、やがて哀しきチワワの瞳(坂本 優)

坂本 優
生きものコラムニスト
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もう10年ほど前になるが、2010年、犬の血統書を発行したりドッグショーを運営するジャパンケネルクラブは、行き過ぎた小型化に歯止めをかけるため、ドッグショーに参加できる犬の体重などに下限を設けた。

その際、例えばチワワの体重については、従来「500g~3キロの間。1~2キロが好ましい。3キロ以上は失格」と定められていたものを「理想体重は1.5キロ~3キロの間。500g未満、3キロ超の場合は失格」と変更し、「500g未満は失格」という下限を定めた。

無理に小型化することが、骨や内臓の異常、妊娠出産時のリスク増など、犬の健康に悪影響を及ぼしていることについて、世界的にも懸念が高まったことが背景にあるといわれる。

その後、ペット犬の健康や動物福祉についての意識は確実に高まっている。とはいえ住宅事情その他の理由から、より小型のイヌを求めるニーズが依然あることは否定し得ない。

休日の公園で、ぎこちないとも見える足取りで近づいてくるチワワ。少し距離をおいて立ち止まり、体に似合わぬ大きな瞳で睨むように私を見上げる。飼い主にとって、家族同然の存在であることは後ろで微笑んでいるご婦人の姿からもうかがえる。

私も自然と笑顔になってチワワを覗き込む。気の強そうな黒い瞳が愛しい。しかし、オオカミがこのような姿で人に愛玩される様を見ると、「生きもの」をペットとすること自体の罪深さをも、ふと感じてしまう。

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坂本 優
生きものコラムニスト
1953年生。東京大学卒業後、味の素株式会社入社。法務・総務業務を中心に担当。カルピス株式会社(現アサヒ飲料株式会社)出向、転籍を経て、同社のアサヒグループ入り以降、同グループ各社で、法務・コンプライアンス業務等を担当。2018年12月65歳をもって退職。大学時代「動物の科学研究会」に参加。味の素在籍時、現「味の素バードサンクチュアリ」を開設する等、生きものを通した環境問題にも通じる。(趣味ラグビー 関東ラグビー協会理事)

2019年8月5日(月)16:37

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