TICAD開幕、アフリカの保健医療の課題大きく

このエントリーをはてなブックマークに追加

TICAD7(第7回アフリカ開発会議)が28日、横浜市で開幕した。TICAD開催に合わせて、会場のパシフィコ横浜では、だれでも参加できるさまざまなサイドイベントが30日まで開かれている。公式サイドイベントの一つ「UHC: アフリカの未来!」では、アフリカ諸国の保健・医療問題について問題提起がなされた。(オルタナ副編集長=吉田広子)

公式サイドイベントの一つ「UHC: アフリカの未来!」で

「UHC」(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)とは、「すべての人々および地域社会が、基礎的な保健医療サービスを、負担可能な費用で確実に享受できること」と定義されている。

SDGs(持続可能な目標)の目標3「すべての人に健康と福祉を」では、「すべての国が新生児死亡率を少なくとも出生1000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1000件中25件以下まで減らす」ことなどがターゲットとして掲げられている。

特にサブサハラ・アフリカ(サハラ以南のアフリカ諸国)の貧困や乳幼児死亡率は深刻で、徐々に改善しているものの、5歳未満で死亡する子どもの割合は1000人のうち100人以上にもなる。

ユニセフ(国連児童基金)によると、5歳未満で命をなくす要因として大きいのが「肺炎」「下痢」「マラリア」の3つだという。

日本WHO協会の中村安秀理事長(大阪大学名誉教授)は、SDGsのスローガン「No one Left Behind(誰一人取り残さない)」になぞらえて、「No Country Left Behind」(どの国も取り残さない)を提唱し、ソマリランドの現状を紹介した。

ソマリランドは、人口390万人で、紛争の多いソマリアとは別に独立国家として機能しているが、国際機関からは正式な国として認められていない。政治的には安定しているが、1000件中72件という高い乳児死亡率や、13万件中1300件にも上る妊産婦死亡率など、ヘルスケアの課題は深刻だ。政府予算のわずか3%しか保健医療に充てられていないという。

感染症を防ぐために2010年からウガンダで手洗いプロジェクトを実施しているのはサラヤだ。更家悠介社長は「病院でも家庭でも手洗いが徹底されておらず、下痢の子どもが多かった」と事業開始当初を振り返り、「現地のヘルスケアワーカーらを巻き込みながら、日ごろから各機関と連携しておくことが感染症対策には有効だ」と指摘した。

このほか、同イベントでは、カメルーンの母子手帳普及プロジェクトやタンザニアのヘルスボランティア事業、シエラレオネでのモリンガ栽培を通じた栄養改善プロジェクトなど、さまざまな事例が紹介された。

2019年8月28日(水)19:48

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑