なぜアマゾンの森は燃えているのか?

私たちエムズシステムは創業以来19年間、アマゾンの森を守るNGOレインフォレスト・ジャパンを支援させて頂いています。

連日報道されているアマゾンの森の火災と焼失に、怒り、憤り、という感情よりもなぜか「悲しさ」が心に広がってしまいます。

レインフォレスト・ジャパンの代表、南研子さんは今年の夏もアマゾンの支援地域シングー川流域に入りました。これで通算33回目、滞在日数は2000日を超えます。

今年は特に高温と乾燥がひどく、火の手はアマゾン中に広がっているそうです。いま、一番力を入れている支援事業が「消防団事業」です。地元の人々が自力で「消防団」を組織し、森を火から守る活動です。

ジャイル・ボルソナロ大統領の命令を受けたブラジル外相はパリ協定を無視するトランプ大統領と会談し、「火の手を止めるためにはアマゾン開発しかない」という基金団体を創ることに合意したというのです。

物事の本質を感じ取っている、シングー川のほとりに住む、レインフォレスト・ジャパンの招聘で来日したこともあるカヤポ族の酋長ラオーニはこう言っています。

カヤポ族の酋長ラオーニ

「あなたたちがやっていることは、世界を変え、私たちの家を破壊し、あなたたちの家も破壊するだろう。われわれは、あなたたちが今行なっていることをやめるよう求める。地球の魂を破壊し、攻撃することをやめるのだ。木を切り倒すことは、われわれの祖先の魂への攻撃だ。鉱物を求め地面を掘ることは、地球の心臓を突き刺しているということだ。このように地球を衰弱させると、地球は死に向かう。われわれの地球が死ねば、われわれは生きてはいけない。われわれも全員が死ぬ」

2014年の秋、レインフォレスト・ジャパンはラオーニとカヤポ族の若者2人を招聘しました。その時もラオーニはこのような意味のことを言っていました。

「みなさんも生き方を変えなければ。このまま行くとそれは破壊と死に至る道だ。世界を、木々を、植物を、動物を、川を、そして地球そのものをもっと尊敬しなければならない。これらすべてに魂があり、これらすべてが魂そのものだからだ。魂がなくなれば地球は死ぬ。雨が降らなくなり、植物は枯れ、死んでしまう」

アマゾンは日本から見てまさしく地球の反対側に位置する一番遠くの、離れた場所にありますが、そこにある空気は日本にも繋がっているし、その大地も地球という同じ乗り物です。

私たちはどこへ向かうべきなのか、もう一度真剣に考えてみるべき時に至ったように思います。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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キーワード: #NGO

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