書評『SDGsが問いかける経営の未来』

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昨今パーパスについての議論が盛んだが、”purpose beyond profit”がこのバランス感覚なのだ。企業がどちらかの価値に絞り込むのか、あるいはそれぞれに一定の割合を配分するのか、どの選択でも構わず本来自由なはずだ。

ただ企業理念がそこで働く者の言動の拠り所であり、さらにパーパス=存在意義に踏み込んで自らに問いかけるのであれば、それは働く者やその集団の社会的課題に、対峙する自らの立ち位置や言動への「覚悟」が必要なのだ。

この覚悟を決める時に必要なのは、客観的に周りを見る、鳥、虫、魚の目だけでは足りない。蝙蝠、動物、人間の目、つまりは、相手の立場で不条理や不合理を感じ、人への思いやりや心配りの目線、まさに主観的に社会的価値を見つめる眼差しが必要なのだ。

さて、私(たち)はこの覚悟ができているだろうか。

前回の、書評『創発型責任経営―新しいつながりの経営モデル』はこちら

文・甲賀聖士 昭和女子大学現代ビジネス研究所研究員

1990年明治学院大学国際学部卒。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科、早稲田大学大学院社会科学研究科に学ぶ。国際政治学修士。専門は平和研究・人間の安全保障研究。企業やそこで働く人々、女性もグローバル社会の重要なアクターと捉え、その行動が平和や社会的価値の創出に貢献する可能性を探る。主な論文に「平和の探求―平和の発展と浸透の視点から」、「性役割意識と社会貢献意識を結ぶ『媒介意識』の仮説検証 ―就労前の女子大学生における2つの意識の関係性分析―」等。日系企業で事業管理、安全保障輸出管理、J-SOX、CSR等にも従事。

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2019年11月19日(火)16:27

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