世界の「気候戦士」を追ったドキュメンタリー

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――映画「気候戦士(クライメイト・ウォーリアーズ)」のカール・A・フェヒナー監督インタビュー

気候変動にまつわる活動家たちを追ったドキュメンタリー映画「気候戦士」(配給:ユナイテッドピープル)は、世界で気候変動にまつわる様々な活動をしている10人の人々を追った作品だ。すでに9カ国で上映され、アジアで先駆けて日本で公開される。公開日の11月29日は、Friday For Futureの「グローバル気候マーチ」の年内最後の日と重なった。来日したカール・A・フェヒナー監督監督に、作品に対する思いや気候変動に対する考えを聞いた。(寺町幸枝)

■独脱原発に影響力を及ぼした映画の製作者

カール・A・フェヒナー監督は、ドイツ軍の元特殊部隊に所属した軍人出身というユニークな肩書きを持つ。除隊後、戦地を取材するジャーナリストになったフェヒナー氏だったが、長女が生まれたことをきっかけに、社会問題を解決することに役立つ情報を、映像を通じて伝えたいという思いから方向転換を決意する。

「軍人として、平和への訴えを行なっている人たちと出会ったことがきっかけとなって、私は人々の平和に対する思いに勝てるものは何もないと気がついた」と話すフェヒナー監督は、その後製作会社を作り、脱原発や環境破壊など、社会派のドキュメンタリー映画の製作を始めた。

2010年にリリースした作品「第4の革命―エネルギー・デモクラシー」は、ドイツで13万人を動員。2011年の東日本大震災後にテレビ放送され、200万人が視聴したとされ、その後のドイツの脱原発という世論に大きな影響を及ぼしたと言われている。

そんな監督の最新作は、パリ協定からの離脱を発表した米国トランプ政権の動きに合わせて製作された「気候変動」にまつわる活動家を追った作品だ。

■映画を通じて人々の感情に訴える

本作で印象的なのは、実際にペレット発電を実用化した発明家であるエディ・クラウスの、発明までにぶち当たった壁が映し出されている。「実は撮影現場で、突然機械が壊れてしまって、エディと農夫は本当に険悪なムードになってしまった。今にも取っ組み合いの喧嘩をはじめてしまいそうだった」と話す監督。

エディの発明(ペレット発電)は、「これが未来の解決方法の一つだ」と示すために撮影するはずだったが、技術開発の厳しさが映し出された状況となった。しかし映画の終わりには、無事に実用化されたシーンが登場する。

「この映画を通じて、何か大きな希望や使命を一緒に感じて欲しいと思っている。この映画を見て、面白おかしく感じることはないかもしれないけれど、この映画を通じて、人々に夢を抱いて欲しいと思っている」と話す。

世界中から調査した、500人に及び活動家のリストの中から選出した10名ほどの活動家を、この作品で選んだフェヒナー監督は、映画のテーマとして性別や、年齢、技術の内容など様々な「反抗者」を取り上げたかったのだという。

「一番重要なのは、(色々な人たちやその人たちの考えを)統合させること。そして、人々に勇気を与えることだ」と話すフェヒナー監督。気候変動の問題は一つの解決法では前に進まない。しかし、映画を通じて閃きや、発想、そして何よりも行動することの大切さを感じとる人が増えれば、新たな変化が生まれるに違いないと感じさせてくれる一作だ。

11月29日からヒューマントラストシネマ渋谷ほかで上映されている。

2019年11月29日(金)19:44

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