英国で国連認定教師が「気候変動教育」、NPOも支援

英国の小・中・高校で、国連の資格を得た各国の教師による「気候変動教育」が広がっている。この活動に大きく貢献するのが、国連と協働で気候変動教育を推進するNPOだ。コースで取得した知識のアップデートや、学校への気候変動教育の導入・展開など、教師を支援する。国内の学校すべて、さらには世界のどの学校にも、国連認定教師による気候変動教育を定着させる計画だ。(NZニュープリマス=クローディアー真理)

「Teach the truth」とスプレー塗料で上書きされた教育省の看板。エクスティンクション・リベリオンの抗議運動で
© Extinction Rebellion

NPO、エデュケート・グローバル(本部・英国ハートフォードシャー州)は、国連主催のプラットフォーム、「UN CC:ラーン」を通し、教師への気候変動教育を進めている。「UN CC:ラーン」は、気候変動を含む環境教育の、一般人向けeラーニングコースで、受講料は無料。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の第6条、「教育、訓練及び広報」の推進を目指すものだ。

コースは5つのモジュールに分かれており、個人差はあるが、すべてを履修するのに約25時間かかるという。気候変動を性別の問題や政治、健康など、さまざまな視点から考察を行わなくてはならないため、コースは決して容易とはいえないそうだ。しかし、多様な視点を通すからこそ、気候変動を知るための糸口も見つけやすく、学生に教える方法も多岐にわたる。

小・中・高校の教師は、同コース修了時に用意されている簡単なテストを受け、それに受かると、国連認定の気候変動教師としての資格を得られる。そしてエデュケート・グローバルに登録すると、得た資格を自校の授業で最大限に生かすためのサポートを受けることが可能になる。国連により常にアップデートされた正確で、学校で気候変動を教えるのに有用な情報の提供だけでなく、学校への気候変動教育の導入方法や授業プラン、アクティビティなども網羅されている。

英国初の、国連認定気候変動教師となったベック・ウェイクフィールド教諭。エセックス州のレイリーという町にあるダウン・ホール小学校で教鞭を執る
© Harwood Education Ltd.
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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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