ゴールドマン石炭融資削減へ、NGO「邦銀立ち遅れ」

米ゴールドマン・サックスは15日、石炭関連事業への融資を抑制する環境方針を発表した。石炭採掘からの段階的撤退など米大手銀行初の本格的な内容だ。同社のデビッド・ソロモンCEOは、今後10年で7500億ドル(約82兆円)を再生可能エネルギー開発などへ投じると述べた。環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワークは17日、「石炭融資規制として重要な前進。日本のメガバンクは大きく立ち遅れている」とする声明を発表した。(オルタナ編集部=堀理雄)

米ゴールドマン・サックスの新たな環境方針

ゴールドマン・サックスの新たな環境方針では、新規の石炭火力発電への融資を行わないことや、石炭発電関連企業への資金調達を段階的に削減することを定めた。石炭採掘会社に対しては石炭以外への事業の多角化を進め、そうした戦略を持たない会社への資金提供を段階的に廃止する。

さらに、北極圏での新たな石油探査や開発への金融取引を拒否すると明言した。北極圏での石油開発をめぐっては、先住民の生計を支えてきた希少な野生生物の減少や森林生態系の破壊が問題となっており、明確に撤退を表明したのは米大手銀行で最初となる。

同社のデビッド・ソロモンCEOは英紙フィナンシャル・タイムズへの寄稿で、今後10年間に再生可能エネルギーや持続可能な食料・農業、教育などの分野に7500億ドル(約82兆円)を振り向けることを目指すと述べた。

レインフォレスト・アクション・ネットワークの声明では、「他の米国銀行の石炭融資規制には、一部の地域には適用しない抜け穴があり、(明確に撤退を約束しているなどの点で)これは重要な前進」と評価した。

その上で声明は「対照的に、日本のメガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)は、石炭部門および北極圏の石油・ガスに大きなエクスポージャーを抱え」ていると指摘した。

その具体例として、ベトナムで計画中のブンアン第2石炭火力発電所への3メガバンクによる資金提供や、北極圏の石油・ガス開発事業への資金提供で世界の上位7銀行に3メガバンクが入っている事実を挙げ、「リスクに対処するための方針が不十分」とした。

2019年12月19日(木)21:02

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