世界を席巻する電動キックボードの光と影(中)台湾編

世界的に拡大する電動キックボードの波は、アジアにも及んでいる。台湾のシェアリング市場で話題になっているのが「電動スクーター」だ。台北市内で2016年から電動スクーターのシェアサービスを展開している「WeMo Scooter(以下ウィーモ)」は、現在20万人の登録会員数を誇る。一方台湾のスタートアップである「台湾Gogoro(以下ゴゴロ)」は、2019年8月から本社のある桃園市内で、シェアサービス「GoShared(ゴーシェアード)」をローンチした。(寺町幸枝)

台北市内で電動スクーターのシェアサービスを展開するウィーモは、登録者数20万人に上る(写真:WeMo Scooter)

ゴゴロのシェアスクーターの強みは、個人所有のスクーター同様に、1500カ所以上存在するキオスク(=バッテリー交換所)を利用でき、利用者が同じスクーターをバッテリーの交換をしながら1日中利用できる点だ。

サービスを開始以来、53日間で10万人以上が登録したという。そして台北市内でも展開を開始した。

台湾では、環境保護と排気ガスの問題から、国が補助金を出して電動スクーターへの切り替えを推奨している。しかし電動スクーターの売上自体は、スクーターの売上全体の20%にも満たないのが現実だ。

その理由は価格にある。最低価格の製品でも、ゴゴロのスクーターは、1台3万8800元(約14万円)であるのに対し、中古市場であれば一般的なスクーターは、安いものは3万円ほどで手に入る。

このような状況において、電動スクーターのシェアサービスへの期待が高まっている。ウィーモが見積もった今後の展開は、600万人の市場において8000台のシェア電動スクーターが出回る計算だ。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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