ボランティアができる避難所での配慮とは

各地に大きな被害をもたらした台風19号では、避難所に避難した方が全国で4000人を超え、今現在も自宅へ戻ることが難しい方々がいます。そして、高齢者や障害者、乳幼児など、特に配慮が必要な人のために「福祉避難所」が開設されましたが、十分に機能しなかったとの報道もありました。このことで一般の避難所での生活において、より不便を感じる人が多くいたことでしょう。今回は避難所で配慮が必要な人について、そして、災害ボランティアとして、どの様な配慮ができるのかを紹介します。(公益財団法人日本ケアフィット共育機構・サービス介助士インストラクター=冨樫正義)

■トイレに行きにくい高齢者

立ち上がりが困難な人のために、床を上げた避難スペース。地面からの粉じん吸飲も防ぐ

高齢者は、慢性の病気が複数あったり、免疫力が低下していたりするため、避難所での生活は大きな負担となったり、体調を崩しやすくなります。混んでいたり、他の人の迷惑になると考えたりして、極力トイレに行きたくないと思い、水分摂取を控えて脱水症状を起こす場合もあります。

あまり動かずにいることで筋力低下、関節の萎縮、循環器機能の低下など、全身の働きが悪くなる廃用症候群になることもあり、軽い運動をうながすなどの配慮が必要です。

股関節や下肢に障害がある人の中には、地面に直接座る姿勢が難しい人もいます。いすやベッドに腰かけることが必要ですので、可能な限りいすの用意をします。

また、行動範囲が大きすぎると負担になることもありますので、出入り口やトイレからの距離を考えて避難所内での場所を決めたいですし、歩行を補助する道具が必要な人には杖などが用意できると助かります。

■テレビやラジオの情報が聞こえない場合も

editor

オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

執筆記事一覧
キーワード:

お気に入り登録するにはログインが必要です

ログインすると「マイページ」機能がご利用できます。気になった記事を「お気に入り」登録できます。
Loading..