ボランティアができる避難所での配慮とは

■テレビやラジオの情報が聞こえない場合も

車いす利用者にはスロープや多機能トイレなどのバリアフリーの環境が必要ですが、実際の避難所ではスロープの先が砂や砂利になっていて単独での行動が難しかった事例もありますので、スロープがあっても移動時に介助が必要なケースもあります。

聴覚に障害のある人は、コミュニケーションを取りにくいため、孤立する可能性があります。特にプライベートを配慮した仕切りの壁が設置されると、個別の様子が周囲に分からず、身体や心の不調などを周囲の人が察することができにくくなります。

救援物資の配布時などに拡声器といった音声での情報提供だけでは、配布情報が伝わりません。個別に伝えたり、一緒に配布場所まで行ったりするなどの配慮が必要です。災害時はテレビやラジオで情報が発信されている場合が多いですが、その音声を聞くことができないので、重要な情報があれば、個別に筆談などで文字情報にして伝えます。

視覚に障害のある人は、出入り口やトイレなど行動する動線が長くならないような場所や、移動時に壁をつたって歩けるように壁側の場所など、移動しやすい場所にいられる配慮が求められますし、込み合った狭い避難所では単独歩行が難しいので、歩行誘導の必要性の確認が必要です。

周囲の状況を見ることができないことが不安にも繋がりますので、周囲の様子を口頭で伝え、なるべく不安を取り除くことが大切です。

そのほか、以前の記事でお伝えした「気付かれにくい障害」、内部障害がある人、精神障害、知的障害のある人、乳幼児、日本語の分からない外国人などが避難所での生活において、より困難が生じる可能性があります。

ボランティアの人は様々な立場の人がいることを理解して、避難所運営者が把握しきれないような、個別のニーズを聞き、運営者と共有することで被災者が少しでも安心できる環境に繋がるでしょう(参考:『防災介助士資格取得講座テキスト』)。

※サービス介助士とは、主にサービス現場で障害のある人や高齢な人などが、何かお手伝いが必要な際に、さっとお手伝いができるように、基本的な介助技術を学んだ人です。誰でも取得することができます。

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2019年12月27日(金)13:52

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