廃棄漁網がボタンに、海洋プラを再資源化

廃棄物を原料に再生素材を製造するリファインバース(東京・中央、越智晶社長)は3月1日から、廃棄漁網をリサイクルしたナイロン樹脂「リアミド」を、アパレル業界向けの材料として供給開始した。大手アパレル資材商社モリト・ジャパンに、ボタンほかナイロン製小物などの素材として供給する。海洋プラスチック問題への関心が高まるなか、廃棄された漁網から新たな製品をつくりだす資源循環の取り組みを加速させていく方針だ。(オルタナ編集部=堀理雄)

ペレット(顆粒)状のナイロン樹脂(写真提供:リファインバース株式会社)

海洋プラごみに占める漁具の割合は高く、海域によっても異なるが、オランダのNGO「オーシャン・クリーンアップ」が米国のハワイとカリフォルニア州の間の160万平方キロメートル超の「太平洋ごみベルト」と呼ばれる海域を調べたところ、海に浮かぶプラごみの46%を漁網が占めた。

「リアミド」は、海水中で使用された廃棄漁網やシリコンコーティングされたエアバッグなどを原料に、同社独自の技術で製造されたリサイクルナイロン樹脂だ。2019年8月の発売後、市場拡大を目指してきた。

海洋プラスチック問題への社会的関心が世界規模で高まるなか、廃棄漁網由来の「リアミド」にはアパレル・ファッション業界などから高い関心が寄せられ、このほどアパレル向け資材としての用途開発を経てモリト・ジャパンへの供給開始に至ったという。

再資源化に向けて回収された大量の廃棄漁網(写真提供:リファインバース株式会社)
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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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