アップル、コバルトだけでなく14品目の金属類を再生材に

記事のポイント


  1. アップルはリサイクル素材の採用を大幅に拡大し、サステナ調達を加速へ
  2. 製品の全電池を100%再生コバルトに切り替えるなど野心的目標を策定
  3. イノベーションを軸に、サーキュラーエコノミーを促進していく

アップルは、リサイクル素材の採用を大幅に拡大し、サステナブルな調達を加速する。2025年までに製品の全電池に100%再生コバルトを使用するほか、磁石に使うレアアース、プリント回路基板に必要なスズはんだや金メッキも100%リサイクル素材に切り替える。パッケージでのプラスチック使用も、2025年にはゼロを目指す。アップルは得意のイノベーションで、資源循環の促進でも業界をけん引する。(北村佳代子)

「優れたテクノロジーは、ユーザーにとっても地球環境にとっても素晴らしいものであるべきだ」。アップルは4月13日、新たな目標を発表する中で、ティム・クックCEO(最高経営責任者)のコメントを同社サイトに掲載した。同社は、2030年までのカーボンニュートラル達成を目標に掲げる。

すべての電池で、再生コバルト使用率100%を目指す

アップルは過去3年間で、電池の重要素材の一つであるコバルトについて、再生コバルトの使用を拡大してきた。2022年の再生コバルト使用率は、前年の13%から25%に拡大し、2025年までに100%を目指す。

世界のコバルトの約7割は、中央アフリカのコンゴ民主共和国から産出される。同国の鉱業については、環境破壊の懸念に加え、児童労働などの人権侵害も報告されている。再生素材の活用は、資源の循環に加え、人権リスクへの対応でもある。

アップルは、2019年に自社開発した分解ロボット「Daisy(デイジー)」を使った素材の回収を進める。すでに電池から11,000kg以上のコバルトを回収し、流通市場に戻した。

Daisyは、これまでの電子機器リサイクルでは回収しきれなかったレアアース類の回収にも成功している。

レアアース、スズ、金メッキも100%リサイクル素材に

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北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

北村(宮子)佳代子(オルタナ副編集長)

オルタナ副編集長。アヴニール・ワークス株式会社代表取締役。伊藤忠商事、IIJ、ソニー、ソニーフィナンシャルで、主としてIR・広報を経験後、独立。上場企業のアニュアルレポートや統合報告書などで数多くのトップインタビューを執筆。英国CMI認定サステナビリティ(CSR)プラクティショナー。2023年からオルタナ編集部。

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