仏の新型コロナ対策(中):政府とメディアの発信力

羽生 のり子
在パリ・オルタナ編集委員

新型コロナウイルスの流行で、フランスの閣僚たちが毎日のようにメディアで発言している。国民教育相は一斉休校で不安な教師や親の質問に答え、連帯・保健相は新型コロナについてテレビやラジオで説明する。メディアは、どう行動すれば良いか分からない市民の疑問にできるだけ答えようとする。見えてきたのは、政府の発信力と透明度の高さ、政府発表だけでは見えない部分をカバーして伝えようとするメディアのきめ細かい報道姿勢だ。(パリ在住編集委員=羽生のり子)

パリ郊外の路上にある広告塔。上から1.手洗い、2.咳とくしゃみをする時は口と鼻を覆い、手を洗う、3.特に熱があり咳をする人から離れる、4.症状のある人は医者に電話、5.呼吸困難になったら15に電話

一斉休校が始まる前日の3月15日、ブランケール国民教育相が、ニュース専門の国営ラジオ局「フランスアンフォ」の電話相談に出演し、教師や親たちの不安に答えた。18日のラジオでは、休校が始まってから出てきた問題に答えた。学校は遠隔授業を始めたが、全く閉鎖したわけではない。

家にパソコンがない子は学校に来て遠隔授業を受けられる。教師は学校で遠隔授業に必要な機械やツールを使える。医療関係者など、この時期に働かなければならない親の子は学校に来て、教師から授業を受けることができる。感染を防ぐため1クラス10人までに限定している。この詳細は教育省が全国市町村長会との話し合いで決めた。

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羽生 のり子
在パリ・オルタナ編集委員
1991年から在仏。早稲田大学第一文学部仏文卒。立教大学文学研究科博士課程前期終了。パリ第13大学植物療法大学免状。翻訳業を経て2000年頃から記者業を開始。専門分野は環境問題、エコロジー、食、農業、美術、文化。日本農業新聞元パリ特約通信員、聴こえの雑誌「オーディオインフォ」日本版元編集長。ドイツ発祥のルナヨガ®インストラクター兼教師養成コース担当。共著に「新型コロナ 19氏の意見」(農文協)。

2020年3月22日(日)15:22

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