「自然な音の世界」

SF界のビッグ3と呼ばれたアーサー・C・クラークの3法則というものがある。その第3は、”Any sufficiently advanced technology is indistinguishable technology isindistinguishable indistinguishable from magic.”
「最先端科学技術は、魔法と見分けがつかない」というものだ。

エムズシステム、『自然な音』を再生するスピーカー

エムズシステムのスピーカーがどうやら本当の無指向性に近い『自然な音』を再生するスピーカーだという噂を聞きつけて、ある企業の技術開発集団の方々が来社したことがあった。彼らは試聴した後、このように呟いた。

「これはいわば新しい雨傘が発明されたようなものですね。まるで雨に濡れない傘の方法といった」「このスピーカーの音を聞いていると何かを犠牲にしているというところが少しも感じられない。完成形であるということが分かります」「それにこの自然な音。音の圧力を感じることなく、音の世界に包まれているような」

スピーカーは概ね、ドライブユニットから押し出される空気の疎密波を生み出すことによって音を再生している。音を連続的に出すためには、そのユニットがもとの位置に戻る必要があるため、うしろ側にも波が生じる。これを内在波、または干渉波と呼んでいる。スピーカーボックス、またはそれそのものを英語で「enclosure」と呼んでいる所以だ。

外に出てくる波を干渉してしまう、スピーカーの内側にある波(内在波)をいかにうまく閉じ込めるか、エンクローズできるかが、スピーカーに取って大きなテーマだった。

その結果、大きくて、重くて、大人一人では持ち上がらない高価なスピーカーが優秀なスピーカーであるというスタンダードが出来上がった。それは長く、歴史を経て、今日まで生き続けている指標でもある。

スピーカーの開発は、言わずと知れた発明王エジソンがおよそ140年前に発明したものから始まっている。国産の扇風機もいまから140年に作られている。

なぜ、スピーカーの話をしているのに扇風機が登場してくるのか?それはヒトが何を求めているか、ということに関わっているからだ。音も風も、ヒトは『自然な』ものを好んでいる。

ヒトは『自然』が好きなのだ。

扇風機の進化は自然な風を生み出すことになる。羽の回転から直進する風を作り、首振り機能が加わり、さらに自然な風のあり方を再現しようと、f分の1の揺らぎを実現した。

風を感じる触覚は皮膚という巨大なひとつの臓器に委ねられているため進化の方向に沿って進んだが、聴覚についてはこの皮膚感覚を忘れ、耳という2つの聴覚に的を絞ったスピーカーの進化は、どのように辿ったのだろうか?

モノから2ch(ステレオ)へ。2chから5.1chへ。7.1chへ。9.1chへ。11.1chへ。そしては最新の最高音響は22.2chでまで数字の大きさを追うかのような進化を遂げて来た。

ヒトの声も、楽器の音も、自然な音(波動)はすべてある1点から宇宙に向かって均等に広がっている。自然な音は中心から美しいバランスで拡散して行く。同じ100dbデシベルの騒音でも、直接音、機械音、人工音では数秒でさえも耐えられないのに、例えば大きな滝の滝つぼの音のような自然の音、拡散する音ならば、2時間の山道を登って、滝つぼのほとりにお弁当を広げておにぎりを食べたりすることができる。

ヒトは『自然』が好きなのだ。

ホテル、バー、ラウンジ、レストラン、オフィス、病院、介護施設など、公共の場にも導入が進んでいるエムズシステムの音響は、まさしく「自然な音」に近い広がりをもたらす技術で、空間全体に満ち渡って行く。

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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