SNS上の誹謗中傷などで心身に悪影響を及ぼすことを問題提起するキャンペーンが世界40カ国で展開されている。仕掛けたのは、化粧品ブランドのラッシュだ。同キャンペーンでは10月10日まで、「#IAMWHOLE」「#セルフラブ」などのハッシュタグ付きの投稿をSNSで拡散するように呼び掛けている。9月5日をデジタル・デトックス・デーと定め、スマフォやPCから離れ、その日は自分自身や身近な人とのつながりの大切さを感じて過ごすように求めている。(オルタナS編集長=池田 真隆)
いまや生活に欠かせないSNS。日本財団「18歳意識調査」によると、SNS使用経験者の75.2%が「SNSは生活に必要不可欠だ」と答えている。
そんなSNSだが、知らぬ間にネガティブな影響を及ぼしている。英国の王立公衆衛生協会(RSPH)によると、「SNSは喫煙やアルコールより中毒性がある」と発表。若年層の5人に1人がSNSに届いたメッセージを確認するために夜中に起きる。人気のプラットフォームの5分の4が不安を増大させると若年層は回答している(RSPH調べ)。
さらに、SNS上に上がっている極端に加工された画像により、10代の少女の9割が自分の体に不満だと回答したという。米国医師会雑誌JAMAは、SNS中毒の若者はメンタルヘルス上のリスクが最大で78%も高くなるという研究結果を発表している。
こうしたことを背景に、ラッシュでは英国のメンタルヘルスケア団体「#IAMWHOLE(アイアムホール)」と英国人インフルエンサーのZoe Sugg(ゾーイ・サグ)と組んでキャンペーンを企画した。