スイス、スーパーがプラ製パッケージを回収・再生へ

スーパー「ミグロ」では、近い将来、食品のプラスチック包装も返却可能になる

スイスでは、2016年から、主要スーパーを含む約30の食料小売業者でレジ袋が有料化され、昨秋の時点で86%(3億6千万枚以上)のプラ袋削減に成功している。ただし、レジ袋の使用が減っても店内の膨大な商品をプラスチックフリーにすることは難しい。ペットボトル、洗剤やシャンプーなどのプラ製ボトルはリサイクルに出せるが、そのほかのプラ製パッケージの多くは可燃ごみになっているのが現状だ。それを解消しようと、全国に広がる大手のミグロはプラ製パッケージ全般を店頭で回収する取り組みを公表し、来年の導入を目指している。(チューリヒ=岩澤里美)

有料の袋に入れ、店頭の回収ボックスへ

日本では今年7月からプラ製レジ袋が有料化されたが、スイスでも今年から、大手のスポーツ用品店や家電量販店など食品以外の店でもプラ製レジ袋が有料化され、年末までに全ての小売店で実施される予定だ。食料スーパーに関しては、2016年の有料化の何年も前からエコバッグや紙袋を持参していた人はかなり多く見かけ、スイス人はやはりエコへの意識が高いことがうかがえた。

全国に1100店以上のスーパーおよびコンビニを構えるミグロは、自社ブランド品でプラ製包装を薄肉化したり、再生PETを使用したりして、プラスチックの使用量の削減に努めている。同社が6月に公表した新しい取り組みは、それらのプラ製パッケージを店頭で回収し、リサイクルするという一歩進んだ計画だ。

回収の仕方は次の通り。まず、専用の袋(85%リサイクル素材使用)を購入する。17ℓ、35ℓ、60ℓの3種類で各10枚入り。家庭でよく使われるごみ袋のサイズと同じ35ℓは、10枚で約1990円(1枚199円)だ。ここに、ミグロで購入したプラ製パッケージを詰める。

フィルム類から容器まで、食品・化粧品・洗剤のほとんどのプラ製パッケージを入れてよいことになっている(園芸、工芸、車両で使われるプラ製ボトル商品は対象外)。汚れがひどいものは、袋には入れず可燃ごみに出す。ペットボトルはこれまで通り、店内のペットボトル回収ボックスへ入れる。袋がいっぱいになったら、店頭に置かれた専用ボックスへ入れるだけだ。

全国で2021年から開始予定

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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