気温上昇を1.5℃に抑える企業宣言が世界で拡大

企業が地球平均気温の上昇を1.5℃に抑えるために寄与することを宣言する「ビジネスアンビション(Business Ambition for 1.5℃)」が世界で急速に広がっている。これまで世界の企業300社が署名した。日本の企業は出遅れ気味で、これまで署名したのは味の素やリコーなど10社にとどまる。(オルタナ編集部・松田ゆきの)

We Mean Businessの取り組みの一つとして実施されるSBT

ビジネスアンビションは、アナン元国連事務総長が立ち上げた「国連グローバル・コンパクト」や、国際的な企業/NGOのアライアンス「We Mean Business※」、科学的根拠で温室効果ガス削減を目指すSBTi(サイエンス・ベースト・ターゲット・イニシアティブ)などの共催で2019年6月に始まった。
オルタナ本誌53号「We Mean Business」の特集記事はこちら

ビジネスアンビションとは「ビジネスの野心」という意味。「アンビション」は、温室効果ガス削減の「野心的な目標」などのように、以前から特に気候変動問題でよく使われてきた言葉だ。

「Business Ambition for 1.5℃」キャンペーンは、企業に対して、気候変動による世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5℃に抑えるため、科学的な知見に基づいて設定されたGHG(温室効果ガス)削減目標に取り組むことを呼び掛けている。

具体的には、2030年までに温室効果ガスの排出量を半減し、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標だ。

2020年10月5日までにユニリーバ、シャネル、Facebookなど世界の企業300社が本キャンペーンの公開書簡に応答し、世界の平均気温を1.5℃に抑えることへの取り組みを宣言する「ビジネスアンビション」に署名した。

日本企業ではリコーが10月2日、9社目として署名したことを発表した。ウェイストボックス(名古屋市)は2020年6月、日本で初めて中小企業向けの新たなSBT認定の申請ルート(Target Setting Letter for SMEs)に排出削減目標を提出する方法でSBT認定を取得し、10月5日に更新された賛同企業一覧に10社目として名を連ねた。

ほかには味の素、アスクル、アシックス、キリンホールディングス、国際興業、マルイグループ、野村総合研究所、小野薬品工業が署名した。

■署名した企業一覧(国連グローバル・コンパクトのホームページから)
https://www.unglobalcompact.org/take-action/events/climate-action-summit-2019/business-ambition/business-leaders-taking-action

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