親元で暮らせない10代を古本で支援

このエントリーをはてなブックマークに追加

【写真】読まなくなった古本で10代の支援が可能に (C) xdaisuke

親から児童への虐待が社会問題化する中、集めた古本の売上を親元で暮らせない10代の自立支援に活用する取り組みが始まった。一般社団法人ストリート・プロジェクト(福岡市)では、12月17日から「寄付本プロジェクト」を立ち上げ、職場や地域等で不要となった書籍の回収と寄付を呼び掛けている。

寄付本プロジェクトでは一般書やマンガ、写真集、検定本などの古本をダンボール箱単位で受け付ける。送料は不要だが、1箱につき5冊以上入っていることが条件だ。また古本についても雑誌や百科事典などは引取ることが出来ない。

集められた古本は専門業者が買い取り、プロジェクトに代金を支払う。1冊の買取価格が50円の場合、1千冊が集まれば10代の高卒認定資格取得のための学習指導などが行えるほか、4万冊を回収できれば親元で暮らせない10代が安い家賃で入居できるゲストハウスを運営することが可能となる。寄付本の売却によって年間で200~400万円を確保するのが目標だ。

立ち上げから1週間で、ウェブサイトへのアクセスが1日1千回を上回り、早くも企業のCSR担当者らから協力の申し出が相次ぐ。年末の大掃除のこの時期、オフィスから出る古本をゴミとして処分していた事業所が、古本を活用して元手を一切かけずに社会貢献をするための方法として、同プロジェクトに注目しているためだ。

ストリート・プロジェクト理事でライターの今一生氏は「社内のゴミになるはずだった古本をダンボールに詰めて送るだけで10代を支え、しかも従業員の社会貢献意識も高めることが出来る」と説明する。

親による児童虐待件数は年々増加しており、児童相談所が対応した件数だけでも1997年度には5352件だったものが、昨年度には4万4千件を突破。一度保護されて親元に帰された児童が再び親の虐待に遭うケースも増えている。しかも、児童相談所での一時保護の後で子供たちを引き取る児童を養護施設や自立援護ホームなどは常に定員に達しており、行政による対策は追い付いていないのが実情だ。

今氏は「支援から漏れた子供たちは家出に向かわざるを得ない。親による虐待が子供から教育を受ける機会を奪い、不幸の再生産を助長している。このプロジェクトを通じて企業や地域で定期的に古本を回収・寄付することで、そうした子供たちに継続的に関わる機会を持ってほしい」と話している。(オルタナ編集部=斉藤円華)2010年12月23日

寄付本プロジェクト ウェブサイト

2010年12月23日(木)15:24

alternaショップ
ページの先頭に戻る↑