社会を変える起業家の「甲子園」

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公志園相互支援会 門田さん

写真=相互支援会では、経営コンサルタントなど経営のプロフェッショナルと一緒に事業計画を磨き上げていく。左は全国大会出場者のプラス・門田代表理事

事業を通じて、社会課題の解決を目指す「社会起業家」。グラミン銀行の創設者・ムハマド・ユヌス氏が、06年にノーベル平和賞を受賞したことで、日本でもその存在が広く知られるようになった。世の中を良くしたいという社会起業家は日本でも次々に登場しているが、その全国大会が都内で2011年1月22日に開催される。

「健康診断が受けられず、病状が重くなり入院してしまう」「経済格差は教育格差を生み、貧困の連鎖を招いている」「14秒に一人、エイズ孤児は増え続けている」――。

人は誰しも自身あるいは社会の課題に直面するときがあるだろう。寄付やボランティア、NPO(非営利組織)の支援など、社会に貢献する方法はそれぞれある。そんななかで、ビジネスの力で社会課題の解決を目指す「社会起業家」が注目を集めている。会社を興さなくても、社内で社会性のある新規事業を立ち上げる「社内起業家」という存在も出てきた。

リーダーシップ教育・社会啓発を目的とし、次世代リーダーの輩出を目指すNPO法人アイ・エス・エル(ISL、東京・千代田)は、2001年の設立以来、社会起業家の育成に取り組んできた。

ISLの野田智義代表は、かねてから社会起業家同士が切磋琢磨しながら、それを支援する協力者とともに成長していく「甲子園」のようなプラットフォームができないかと考えていたという。そこで、社会起業家を全国的に発掘・育成しようと「2010社会イノベーター公志園100人委員会」への参加を呼びかけた。実行委員長に武田薬品工業・長谷川 閑史代表取締役社長が就任し、2010年夏に「社会イノベーター公志園」が立ち上がった。

2010年8月末から、地方予選(東北、関東、関西、九州)と全国公募予選がスタート。同年9月には、ワンコイン検診事業を立ち上げたケアプロ(東京・中野)の川添高志代表、誰もが平等に教育の機会が得られる社会を目指すNPO法人ラーニング・フォー・オール(東京・渋谷)の松田悠介代表理事、アフリカのエイズ孤児支援を行うNGO・プラス(東京・品川)の門田瑠衣子代表理事ら、全国大会出場者16人が確定した。

全国大会出場者は、月に1度開催される相互支援会で、経営者や識者などからコンサルティング要素を兼ねたメンタリングを受けてきた。自身の「志」を見つめ直すとともに、事業計画を磨き上げてきた。選抜支援プロセスの最終段階では、16人のうちから8-10人が選抜され、2011年1月22日の決勝大会に臨む。

決勝大会では、出場者が、教育格差、地域活性、医療福祉、多文化共生、国際協力など、それぞれが持つ社会に対する問題意識や実現したい未来について、審査員・一般観客600人の前で発表する。投票で選ばれたグランプリと優秀者は、主催である社会イノベーター公志園100人委員会、地域大会主催者などから1年間事業活動の支援が受けられる。決勝大会は一橋記念講堂(東京・千代田)で開かれ、誰でも参加が可能だ。(オルタナ編集部 吉田広子)

2011年1月11日(火)11:47

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