都知事の自販機規制論、広がる波紋

石原慎太郎都知事が10日、「軒並み自販機が並んでいるバカな国は世界中にない」と批判し、節電対策として規制を示唆したことに波紋が広がっている。蓮舫節電啓発担当相は13日の衆院内閣委員会で「どういう思いで言ったのかは分からないが、節電と経済効果への支障を最小限に抑える知恵は、同時進行で取り組むべきだ」と指摘。日本自動販売機工業会も「自販機は電力のピークカット機能を持つ」と見解を公表した。

同工業会によれば、09年末の自販機の設置台数は521万機となり、アメリカに次ぐ数。ただし日本の自販機は電力が余って料金が安い夜間から朝に冷やし、日中はわずかな電力しか使わないという。

蓮舫氏は「清涼飲料業界は主要19社で4・5兆円の売り上げがあり、そのうち自販機は1・9兆円で42%を占める」とした。自販機規制で電力不足が乗り越えられるかは分からない。しかし冷たい飲み物がすぐ買えるという贅沢な環境が妥当なものなのか。私たちの議論を深めたい。(オルタナ編集部=石井孝明)4月15日

■日本自動販売機工業会ホームページ

http://www.jvma.or.jp/

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オルタナ編集部

サステナブル・ビジネス・マガジン「オルタナ」は2007年創刊。重点取材分野は、環境/CSR/サステナビリティ自然エネルギー/第一次産業/ソーシャルイノベーション/エシカル消費などです。サステナ経営検定やサステナビリティ部員塾も主宰しています。

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