『降りてゆく生き方』、全国で2年間自主上映

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「降りてゆく生き方」では武田鉄也が主演を務めた

4月30日、映画「降りてゆく生き方」の公開2周年記念特別公演「希望」の「生き方」〜「降りてゆく人々」からの「贈る言葉」〜が世田谷区民会館で催される。

公式ホームページを見て驚いた。映画制作と上映スタイルについて詳しく紹介されているが、そこに作品のあらすじはない。主演が武田鉄矢さんということだけ。なにより、シナリオ開発の資料というインタビュー映像に引き込まれる。

この映画は必ず自主上映で、作品そのものにも少しずつ手を入れて進化させていくという独自のスタイルを貫く。そして、2年間で7万人近い観客を集めてきた。その魅力がどこにあるのか。総合プロデューサー森田貴英さんにお話しを伺った。

「人と出会うこと、それが映画作りの出発点でした」と言う森田さんは、5年かけて日本全国を旅して200人の人々にインタビューし、300冊の本を読破した。森田さんの本業は弁護士。当初は映画製作をサポートする立場にあったが、シナリオ開発の予算がなくなったことから、シナリオを手がけることになった。作品中の台詞には、実際に出会った人々から発せられた言葉が多く使われているという。

「最初はビジネスとしての映画製作を考えていました。それが、たくさんの人と語り合って初めて自分が分かり、生き方が分かり、見える世界が変わるのだと気づいたのです」。東京生まれ東京育ちの彼が、過疎地域、限界集落の地域で町づくりに奔走している人々から与えられた影響は計り知れない。その気づきが観客へと伝わっていく。

弁護士としてエンタテインメント業界をよく知る森田さんは、今までの映画宣伝手法がこの映画にはそぐわないと思った。「人から人に伝えてもらう広め方が必須」と、広告宣伝は一切しない。必ず自主上映で観客と価値観を共有する。そして、気づきがあると次回上映時には作品に手を加える。作り手と観客とのつながりがこの映画を進化させているのだ。「作品をご覧になる前で、既にプロセスの半分は終わっているんです」と森田さんは語る。

今回の2周年記念特別公演にあたって新たに撮り下ろしたシーンもあり、午前と午後で作品の一部を変えてあるという。当日のスペシャル対談のゲストも豪華だ。午前の部では主演の武田鉄矢さんと、映画のモデルでもある天然酒造りにこだわる蔵元「寺田本家」の寺田啓佐さん、精神の病を抱えている人々のコミュニティ「べてるの家」の向谷地生良さん、午後の部では武田さんと、「奇跡のりんご」の木村秋則さんが対談する。(たかせ藍沙)

http://www.nippon-p.org/2anv.html

2011年4月19日(火)16:28

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