エネルギー自給型の里がオープン

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間伐材の丸太を燃やして床暖房の熱源にも利用できる「すげの里」

「原発を全部止めてもやっていける」「節電はほんの少しでいい」などとネット上で積極的に発言し、注目を集めている名古屋大学大学院の高野雅夫准教授が3日、愛知県豊田市に完成した「里山くらし体験館・すげの里」で公開ゼミを開いた。

薪ボイラーによる床暖房や小水力発電などを取り入れた実験的な施設で、「日本には資源がないと信じている人たちも、ここに来れば発想が変わる。里山ならここまでできると一目瞭然でわかるモデルにしたい」と呼びかけた。

「すげの里」は豊田市が中山間地の活性化を目的に整備を進め、高野准教授らが地元住民とともに小水力発電やバイオガスの導入を検討。太陽光パネルやLED照明なども備えたエネルギー自給型の公共施設として5月下旬にオープンした。

持続性学を研究する高野准教授は、ゼミでのあだ名「だいずせんせい」として書くブログで原発に対して鋭い問題提起を続け、アクセスが急増。脱原発のパレードにも積極的に参加して注目されている。ゼミには市内外から30人以上が駆けつけ、エネルギーやワークライフバランスなどについて自由な雰囲気で討論した。

終了後、取材に応じた高野准教授は「エネルギーにしても食べ物にしても、現代人は遠くからものをもらうことで自分たちの暮らしを空洞化させ、心のよりどころをなくしてきた。震災でその矛盾が一気に表れた」と指摘。

そのうえで「原発を止めても火力と水力、そして夏場の少しの節電で電気はまかなえる。ただし火力まで止めようとすれば今の10分の1の節電が必要で、そのときはこの施設のような暮らしが求められる。住んでいるところに資源はあるし、多少暗くてもいいじゃないか、と発想を変えてほしい。発送電分離や全量買い取りなどの制度も変えていきながら、地域は地域でできることをやっていかなければ」と語った。

すげの里では宿泊などの一般利用を受け付けながら、さまざまな設備の効果を検証していく予定だという。(関口威人)

2011年6月6日(月)12:08

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